・・・・・・・っということで、アマゾンプライムTVのドラマです。
映画とTVドラマを比べたら、映画の方が上等だと思いがちですね。
しかし、最近は同等の扱いをしていいと思います。
映画なみの制作費をTVドラマに惜しみなく注ぎ込んでいるので、アカデミー賞をNetFlix制作のドラマがとることも普通になりました。
映画は上映時間が限られているので、大胆な省略をせざるを得ません。
TVドラマの利点は、一つのテーマをじっくり時間をかけて表現できることです。
今回の【Tales from the Loop】はTVドラマのアドバンテージが遺憾なく発揮されています。
物語のテンポが実にゆったりとしています。
映画だったらCUTされてしまうようなシーンをじっくり描いています。
セリフが極端に少なく、その代わり情景や表情、それに静かな音楽を加えることによって、心の動きを巧みに伝えています。
時間のLoopですから、れっきとしたSF作品です。
しかし、これまでのSFとは違って、全く奇を衒う部分がありません。
重力が無視されたり、ロボットやアンドロイドが出てくるんですが、それらが不自然さを与えないのです。
しかも、それらが全く未来的じゃなくて、クラシックな造形なのです。
自動車は一昔前の型だし、真空管を使ったラジオやレコードが小道具で使われているのです。
登場人物は、巨大なトラクターが宙に浮いていても、森でロボットに出会っても、全く驚かず当たり前のように演じています。
なかなか巧みなシナリオなのです。
そんなゆったりとしたテンポで物語は進むのですが、観客の気持ちはいいように振り回されてしまうのです。
何で?と思うような不思議なことを普通に描くものだから、次から次へと興味が湧いてきて、物語の中に引き込まれていくのです。
これはなかなかの手だれが作ったSFです。
出てくる俳優が皆いい。
特に、子役が上手い。
全部で8話のシリーズですが、それぞれのストーリーが微妙に繋がっています。
あまり褒めすぎると、何これ?・・・と合わない人も出てくるでしょうが、ぼく的には絶対オススメです。
人生とは?時間とは?人間とは?を深く考えさせられます。
★★★★★