映画【愛しのタチアナ】 | so what(だから何なんだ)

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そんなお年頃。
68カ国で止まったまま先に進みません。(;^_^A

・・・・・・・っということで、アキ・カウリスマキ監督祭りの最終回。

 

原題は【Take Care of Your Scarf, Tatiana】で「君のスカーフに気をつけろ、タチアナ(女性の名前)」という意味になりますが、映画の内容と何の関係があるのやら。

 

 

冴えない二人の男と、冴えない女二人のロードムービー。

 

62分と短い映画ですが、最後の方まで見ないと何を言いたいのかサッパリ分かりません。

 

カウリスマキ映画の常連であるカティ・オウティネンがタチアナを演じますが、主演は二人の男性のほうです。

 

母の縫製の仕事を手伝うコーヒー中毒の男。

 

一応自動車修理工であるアル中の男。

 

車の試運転ついでに、二人で目的のないまま南(ヘルシンキ方面)へドライブに出ます。

 

当然、閉塞状態の現状からの逃避ですが、目的も計画も全くない衝動的なものです。

 

途中で、女性二人を乗せます。

 

エストニアのタリン行きのフェリーに間に合わせるという目的ができます。

 

自動車修理工は自称ロックンローラーですが、単にロックに憧れているだけの中年です。

 

例によって会話ほとんどなし、しかも白黒映画。

 

限りなく無声映画に近いです。

 

二組のペアになってホテルに泊まりますが、何も起きません。

 

ダンスも踊りません。

 

船に二人を乗せたのに、自分たちもフェリーに乗ってタリンまで行ってしまいます。

 

しかし、修理工はいつのまにかタチアナと心を通わせ、一緒に住むといってエストニアに残ってしまいます。

 

残されたコーヒー好きは、虚しく母親の元に戻ります。

 

曲がりなりにもロック的に生きた男と、ロック的に生きられなかった男の対比。

 

ロック的な生き方とは何なのだ?

 

ロックに憧れる気持ちがあるものの、気が小さいが故に現状打破できない男たちの悲しい物語でした。

 

二人は違った道に進むことになりましたが、人生としては大して差はないでしょう。

 

★★★★☆