・・・・・・・っということで、久しぶりのショートショートです。
断る必要もないですが、SFの一種で全くのフィクションです。
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高度に文明が発達したとある惑星で、異変が生じた。
味覚がなくなる症状が広まったのである。
味覚がなくなると、まず困るのは何を食べても美味しく感じないこと。
ご馳走だったはずの食べ物がまるで粘土を食べているように感じた。
唐辛子を丸ごと食べても、砂糖を山盛りにしても辛いとも甘いとも感じないのである。
もう食べ物を美味しく作る必要は無くなったので、食事を楽しむことがなくなり、ただ栄養補給目的で食事をすることになった。
当然レストランは消えて無くなり、主婦は料理から完全に解放された。
ただチューブに入った栄養剤か、錠剤で済ませるだけになった。
医者や科学者たちが必死になって原因を探ったけれど、突き止めることはできなかった。
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そうこうするうちに、女性が妊娠しなくなった。
みるみる子供の数が減っていって、高齢者ばかりになった。
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味覚障害や不妊症の率は均一ではなく、国ごとに一定の傾向があった。
発展途上国において低く(40%)、経済大国ほどその発生率が高い(90%)ことである。
ある科学者がその発生率を国ごとに細かく調べてみた。
すると、ある法則があることに気づいた。
20年前にこの惑星では、大規模なウィルスが猛威を振るった。
とても進んだ科学を持っていたので、ワクチンを1年足らずで開発してしまった。
そして、そのことによってウィルスを克服することができたのである。
ワクチンの効果を疑い摂取しなかった者、ワクチンを打ちたくとも経済的に打てなかった者もいた。
科学者が発見したのは、国ごとのワクチン摂取率と今回の症状発生率がぴったり一致することであった。
そう、ワクチンを打ったのが原因だったのだ。
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20年前の当時も、あまりにもワクチン開発が早すぎたことに疑問を持つ者も多かった。
通常、5年とされていたからである。
それでも、政府は経済を立て直すために、ワクチン接種を進めていった。
ワクチンを打たないと罰金を課した国もあった。
あとから考えると、副反応ばかりが注目され、副作用は軽視されていた。
本来なら、時間をかけて経過観察をすべきであったのに、見切り発車をしたのだ。
その結果、製薬会社は莫大な利益を上げた。
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それから1世紀が経過した。
その惑星上から知的生物は死に絶えた。
まず、先進国と言われていた国々の国力が衰え、後進国がそれにとって代わった。
後進国は先進国の遺産を消費し尽くし、国同士が覇権を握るべく争いを続けた。
最後を迎えたのは、テロリストが最終兵器を手に入れたからであった。
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外から見る限り、その惑星はこれまでどおり綺麗な青色をしている。
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