・・・・・・・っということで、もう寝る時間になって、何気なく目に留まった映画。
冒頭は見逃して途中から鑑賞。
2時間以内には終わるだろうと思っていたら・・・
ナンと0時を過ぎる3時間の長編でした。
その後も寝付けず、おかげで寝不足。
まあ、それだけ引き付ける構成(5部構成)だったということでしょう。
珍しく、ドイツ映画です。
主人公は、アフリカからボートで脱出してきた黒人の移民。
原作は1920年発表の小説ですから、随分大胆な解釈を加えています。
アフリカからの移民問題は、ドイツにとってホットなテーマです。
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黒人はボートが遭難しそうになったとき、改心して善人になりますから命を助けてくださいと、「神と契約」します。
本人は善人になろうと努力しますが、現実のベルリンは人種差別、移民差別、貧困差別の高い壁が立ちはだかります。
パスポートも持たないのですから、低賃金で最悪の環境で働くしか選択肢がありません。
祖国に戻っても地獄、ドイツでも地獄という、出口のない生活に甘んじるしかありません。
そこに麻薬売人の男が不法労働者たちの溜まり場にやって来て、売人のリクルートを始めます。
地獄から脱出する唯一の仕事だと演説します。
男は、善人になると誓った手前、無視しようとしますが、売人は言葉巧みに取り入ってきます。
この売人役がなかなかの名演技。
彼が表すのは「ルシファー(悪魔)」です。
神との契約を反故にして、魂を奪うのが目的です。
悪魔が目を付けた黒人は背が高く、力があって、心の澄んだ人間ですから、落とし甲斐があるのです。
売人が仕掛けた巧妙な罠に黒人は次第にハマっていき、友情感情まで芽生えます。
売人(=悪魔)は、黒人が神の加護を受けていることに気付いて、車から突き落として死ぬかどうか確かめます。
黒人は重傷を負うものの生き残ります。
彼を看病して命を助けたのが、娼婦(天使≒マグダラのマリア?)です。
娼婦は男にも助けられ、二人の間には愛が生まれ一緒に生活するようになります。
そのときから、黒人は神との契約を反故にして、善人で生きることを諦めます。
何故なら娼婦との「愛」に目覚め、生きる目的を持ったからです。
その途端、売人以上の実力を発揮し始めます。
悪魔にとって、愛ほど邪魔物はありません。
しかも彼女は黒人の子供を身ごもったのです。
黒人を殺すより、彼から愛する者を奪うのが最も効果があると知っているのです。
そして、それを実行します。
しかも、殺人の濡れ衣を黒人に被せるという狡猾さで。
黒人は逮捕され投獄されてしまいます。
絶望して自殺を図りますが、死ぬことは出来ません。
それは、神に愛されているというより、神に試されているからです。
売人のほうも別の殺人未遂を犯し投獄されます。
牢獄で隣り合った売人を絞め殺そうとしますが、途中で止めます。
神はこの行為を見て、黒人にはまだ善人になるチャンスが残されていると判断します。
刑期を終えて出所する彼を待っていたのは・・・?
神からのプレゼントだったのです。
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このように、キリスト教的な善悪のバックボーンを持った作品です。
見逃され勝ちですが、バーを経営する黒人とのミックスの女性は、大天使のガブリエルを象徴しています。
明らかに「賞狙い」の作品です。
文学的な味付けで、様々な寓意が仕掛けられています。
緻密な構成と演技、それと斬新なカメラワークなのですが、アラが散見されるのが気になります。
まあ、それも「寓話」ですから、良しとしますか。
ドイツ人らしい「生真面目さ」を3時間耐えられる人にはオススメです。
ちょっと辛めの採点で★★★★☆