・・・・・・・っということで、昨日観たアニメーション映画【エセル&アーネスト】は、イギリスの下層階級の夫婦の後半生を描いていて、あきれるほど平凡なストーリーで何も起きません。
しかし、平凡であるからこそ、いろいろと考えさせられました。
その一つは、イギリスの階級社会です。
夫は牛乳配達人です。
それも、定年を迎えるまでずっとその職を続けるのです。
妻は、上流階級の老婆に雇われた使用人です。
二人とも下層階級出身です。
しかし、自分の職を卑屈に思うどころか、ささやかなプライドを持っています。
乳母車を押しながら、新しく出来たレストランを二人が覗き込みます。
「ああ、ウェイトレスがお洒落な制服を着ているね。きっと高い店なのね。いつかは来ましょうよ」
時間が経過して、今度は車イスに乗る妻を押しながら、夫が言います。
「ほら、ここは昔、素敵なレストランだったよね。」
閉店になってウインドウには板が打ち付けられています。
「あのときは乳母車を押していたけれど、今は私が車イスに乗っている。」
「ついに入店することはなかったわね。」
裕福じゃなかったから入れなかったのではなく、自分のような階級の者には相応しくない店だったという意味です。
勿論、店がそういう規制を設けているのではありません。
自分達が「自己規制」しているのです。
映画全体に、このようなイギリスが階級社会であることが垣間見られます。
今は、どうか知りません。
第2次世界大戦を挟んで生きた世代の物語ですから。