・・・・・・・っということで、庵野秀明というアニメクリエイターの特集をNHK で放送していました。
ご存知【エヴァンゲリオン】シリーズや【シンゴジラ】で有名な人物です。
見ていて途中で腹が立ってきました。
そして悲しい気持ちになりました。
アニメーションという製作の舞台裏の話なんですが、ブラックな世界だとは薄々知っていたのですが、これ程酷いとは思いませんでした。
クリエイティブ作業をする上で、極めて非効率なばかりでなく、非人道的なのです。
監督は「神」であり、スタッフは奴隷なのです。
せっかく苦労して積み上げた製作途中の作品を、監督の気まぐれ一つでゼロにしてしまう過程が繰り返し映し出されます。
スタッフたちも「仕方ない」と、いとも簡単にあきらめてしまうのです。
そして、心身とも疲れきってしまいます。
最後に、それじゃオレがやるわと、庵野氏は自分でやり始めます。
拘りのある芸術を創り上げるのに無駄な時間は、必要なプロセスなのでしょうが、あまりにも身勝手すぎる。
個人だけの作品なら分かるけれど、アニメほど多くの人の協力を必要とする分野はないはずです。
今までにない新しいアングル、思いがけない展開を庵野氏は求めて、健康を害するほど自分を追い詰めていく姿を番組は描くのですが、ぼくには身勝手(あるいはバカ)すぎるとしか見えない。
NHKも取材していく中で、そう感じたのではないかと疑っているんですが、立場上言えませんものね。
妥協せず理想を追い求める姿は、掛け値なしに立派であることはいうまでもありません。
しかし、その製作過程が苦しいものであるほど優れた作品になると考えるのは、いかにも日本的であると思います。
いや、その考えは有害であって変えなければならないはずです。
番組で取り上げたのは「シン・エヴァンゲリオン」という最新の作品で、ちゃっかりNHK を宣伝に利用しています。
封切りですので、ぼくは見ていませんし、これから見ようとも思っていません。
何故か?
宮崎駿作品と同じ轍を踏んでいると予想できるからです。
初期のエヴァンゲリオンシリーズは面白かった。
しかし、どんどんつまらなくなっていった。
監督が有名になり、神になるにしたがって、周囲の人たちはアイデアを出さなくなる。
黙って従うだけになる。
日本の組織はいつもそうです。
東郷平八郎を連想します。
バルチック艦隊を壊滅させた彼は、晩年には手がつけられない神になってしまった。
日本のアニメに対してディズニーの製作過程は真逆です。
監督は神でも独裁者でもありません。(尊敬されていますが)
自分の美学を持っていることは勿論ですが、スタッフからの意見を重視する柔軟さを持っています。
自分一人の能力には限界があると知っているからです。
同じような努力を求められますが、決してブラック企業ではありません。
そして出来上がった作品のレベルは非常に高い。
日本人は、産みの苦しみを崇める価値観を見直した方が良いでしょう。
(蛇足)
結構視聴率が高く、評判の番組だったようです。
驚いたのが、批判的意見が全くないこと。(ぼくが読んだ限り)
結局彼は、自分が創造したエヴァンゲリオンに縛られて苦しんだという意見が出てきても良いんですがね。