・・・・・・・っということで、ぼくが働いていた会社の社長は、ぼくより10歳年下でした。
彼が大学を出たばかりの頃からの腐れ縁で、ぼくが30歳以降はずっと同じ部署でした。
おこがましいのですが、ある時期、ぼくは彼の「参謀」のような立場でした。
彼は頭が良く、人当たりも良く、ぼくのような人間に対しても、決して話を逸らすような人物ではありませんでした。
人の話をよく聞くのです。
そういう意味で、彼を今でも尊敬しています。
ただし、好い人であっても、人の上に立つような資質はないと、ぼくは睨んでいました。
それは何故かというと、本を読まないのです。
イヤ、たくさん読むのですが、どれもノウハウ本の類いで、いわゆる教養に関する本は読んで来なかったのです。
その理由は分かります。
親父から会社を継ぐ宿命だったからです。
手っ取り早く、ビジネスのノウハウを身に付けたかったのでしょう。
彼の立場上、人前でスピーチする機会が多いのですが、明らかに「借り物」の話題だと分かるのです。
如何にも「良さげな」話をするのです。
ぼくは参謀(のつもり)でしたので、彼に対して直ぐにその話題について掘り下げます。
もちろん彼は、自分で考えていないから、底の浅さがバレます。
ぼくは何度も彼に、「自前の考え」を持つようにアドバイスしました。
何たって、ぼくは善き参謀ですからね。(^^ゞ
本を勧めたこともあります。
彼は素直に読んでくれました。
ところが、書いてあった通りに実行するのです。
違うだろう!書いてあることを自分なりに考えて消化しなければ意味がないだろう!
・・・・・・・
その後の結果は、ご察しの通り。
ぼくは煙たがられ、遠ざけられました。
そのうち、彼は社長の座に就き、雲の上の人となりました。
ある時、ぼくと同期の部長と社長の前で意見を述べる機会がありました。
ぼくは、いつものように社長に向かって、「正論」を述べました。
あとからその部長はぼくを肘でつつきながら、「あの口のききかたはないだろう」と目を丸くしていました。
彼は今も重役として会社に残っています。
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何を言いたいか伝わっていると思いますが、【教養】の大切さです。
教養というものは、幅が広くて定義できませんが、大抵の場合、本業とは直接関係ないものです。
しかし、人間の幅を広げる上で、教養ほど大切なものはありません。
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彼は現在58歳で、一部上場の会社の社長を張っていますが、その後は成長して自分の哲学を持ち、取り巻きの連中の意のままになっていないことを願うばかりです。^m^