彼女の母親(義母/92歳)のことを憎んでいて、亡くなった父親の墓前で「早く迎えに来てください」と祈っているのに・・・。
バァーさんは、いよいよボケが進んできて、言うこととやっていることがデタラメになってきている。
例えば、バナナをモグモグ食べながら、「私ゃ~朝から何にも食べていないという」。
さっきカミさんが夕食を作って与えたばかりなのに。
それはそれでいい。
だが、ババアの悪いところは、自分がわざと放置されていると娘をなじることである。
「娘を産んだのは、世話してもらうためだ」とイケシャーシャーとのたまうのだ。
こんなに世話をしているのに。
・・・・・・・
ぼくはそんなのいちいち気にせず放っておけと言うのだが、いつもはドライなカミさんが、何故か自分の母親のことになるとウェットになってしまうのである。
早いとこ老人ホームに放り込んで楽になれと言うのだが、なかなか実行に移さない。
そこで、先日ショートステイに2週間預けてよい結果が見られたので、次の段階として、いよいよ老人ホームに入れる算段を進めることにした。
カミさんがなかなか動こうとしないので、ぼくが勝手にホームの見学に申し込んで、昨日一緒に見学に行った。
まあ、可もなく不可もなくといった施設である。
入れるか入れないかはカミさんの気持ち次第である。
しかし、ここになってカミさんが躊躇するのである。
相手からは、次の入居希望者が見学に来たと、見え透いた営業トークで迫ってくる。
・・・・・・・
彼女を迷わせる要因は何だろう?
先ず、元気なことである。
92にもなって、杖も突かずにタッタカ歩くのである。
ぼくでもキツい2階の階段を何度も上がってきて、イラつかせる。
トイレだって風呂だって一人で入れる。
文字だって書けるし、持病もない。
ぼくの両親と姉は老人ホームに世話になっているが、骨折とか徘徊で、素人の手には負えなくなったからである。
そんな元気な母親を老人ホームに入れていいのかという、娘としての良心の呵責である。
ぼくはそれに対して、92歳という年齢であるから、非難するものは誰もいない。
彼女にとっても、いろいろ世話をしてくれるほうが幸せだ。
世の中には入りたくても入れない人が沢山いる。
・・・ってな説得をするのだが、どうも心の中で引っ掛かっているようなのである。
ぼくに対しては超ドライに当たるカミさんなのにどうして?
ババアのことになると青菜に塩なのである。
ぼくが睨んだところ、マインドコントロールされていると思う。
・・・ってなことで、いま成田空港で出発待ちであります。
