日本人は国連というと善意の組織と思っているでしょう?
何故なら前身の国際連盟を蹴って脱退した過去を持つのですから。
第二次世界大戦後、国連は世界の平和を維持する機関として強化され、中立かつフェアーな組織として生まれ変わったことになっています。
ところが、その実態は戦勝国が拒否権を持ち、彼らが都合の良いように利用するだけ機関と成り下がっているのです。
まあ、国連の力のなさには大抵の人たちは気付いているのでしょうが。
無いよりマシくらいな位置付けでしょう。
しかし、汚職にまみれているとまでは思っていなかったでしょう。
この映画は、そんな性善説に冷や水を浴びせる、実話に基づく告発映画です。
制裁に苦しむイラクの民衆を助けるという善意の「石油食料交換プログラム」が、如何に汚職にまみれていたかが分かります。
多くの国や企業が莫大な予算に群がって食い散らかしたのです。
国連の職員がそれを見て見ぬふりをするどころか、自分達も賄賂を受け取っていたというのですから驚きです。
(主人公の)内部告発によって明るみに出るのですが、あまりにもスキャンダルが大きすぎて(国連総長まで疑惑が及ぶに至り)、ウヤムヤに葬られているのです。
プログラム推進派役のキングスレイが若い主人公を常に「kid」と呼びます。
結果として相手を騙すことになっても、自分の思う目的に誘導できれば嘘をつく必要はないと教えます。
外交とは綺麗事ではないことを嫌というほど描いて見せます。
久しぶりの骨太の映画です。
ジャクリーヌ・ビセットも歳をとったものです。
ぼくがいた頃のバグダッドが出てきて懐かしく思いました。
二度と行きたくないという懐かしさですが。(^_^ゞ
★★★★★