・・・・・・・っということで、カルロス・ゴーンが逃げ込んだレバノンの映画です。
珍しいでしょ?
複雑な背景を知らなくても、見続けていれば薄々解るようになります。
特にレバノンに流入したパレスチナ難民の立場を知ることができます。
映画の最初に、本作はレバノン政府の立場と必ずしも一致しているものではありませんとのタイトルが流れます。
そのくせ、大統領役の俳優が出てきますので、とても政治的な意図を持った映画です。
アカデミー賞で外国語映画にノミネートされたくらいですから、とても良くできたストーリーです。
法廷劇がメインですが、「レバノン人ちゃんとしてるじゃん」と見せたい意図がビンビン伝わってきます。
ホントーにちゃんとしている。
いったい何が正義かを真正面から取り組んでいます。
・・・っが、描き方があまりにも善意をベースにしている。
かなり人間の醜い面を描いていますが、今どきの観客は、その程度のヒネリじゃ満足しないんです。
人間って、もっともっとダーティーな生き物なんです。
見終わった感想は心がホンワカ暖かくなり、まるでおとぎ話を聞いたあとのようです。
この映画に感動できる国民って、羨ましい。
実態は、ゴーンをかくまったり、国がデフォルトになってしまうくらいダーティーな部分を抱えた国なのです。
ただ、プライドの高い民族であることは伝わってきます。
先ずはゴーンを日本に送還して、マトモな国になるのが先決でしょう。
★★★★☆