【ロード・オブ・ザ・リングス】シリーズで知られるピーター・ジャクソン監督の作品です。
白黒フィルムが途中でカラーに変わりますが、その自然な出来映えに驚かされます。
100年以上も前の兵士たちが生き生きと甦ります。
最初から最後まで途切れることなく、実戦に参加した兵士たちの証言で構成されています。
その音声も、いま生きている人が話しているように感じられます。
技術の進歩はスゴい。
入隊は18歳からという決まりにも関わらず、15歳でも入隊させたという当時のいい加減さに驚かされます。
いや、イギリスって、こういういい加減さを好む国民なのかも知れません。
戦争映画では描き切れない戦場の酷さが伝わってきます。
何故なら、映像の死体は全て本物なのですから。
兵士も俳優じゃありません。
100年前に生き、戦い、そして死んでいった者たちの存在感をこれ程身近に感じられるとは。
ジャクソン監督が色彩化にかけた理由がそこに感じられます。
白黒の飛び飛びの映像では、あの戦争が何であったかを実感できないでしょう。
人間と人間が殺し合うということは何かを理解できる映画です。
目を背けたくなる死体や負傷した映像が多く、ちょっとショッキングですが、ぜひ見ておくべき映画のひとつです。
☆☆☆☆☆