無人島(その8) | so what(だから何なんだ)

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人生のバックパッカーのブログです。
暇はあるけど体力と金と気力がない。
そんなお年頃。
68カ国で止まったまま先に進みません。(;^_^A

・・・・・・っということで、変な夢の続き。



その島に流れ着いてから、男は入り江に小屋を建てた。



しばらく経つと、一匹のイルカが遊びに来るようになった。



毎朝、目覚まし代わりにイルカの声で起こされ、一日が始まる。



男がイルカに触れても、全く逃げようともしない。



逆に、体を摺り寄せてくる。



イルカは男のために、波打ち際まで魚を追い立てることさえした。



一日の殆どをイルカと過ごす毎日が続いた。



あるとき、イルカの言葉が分かるような気がした。



イルカの声を真似て男が声を出すと、イルカが同じような声で返事をした。



そして、何年かが経過した。



男は、ついにイルカと会話することが出来るようになった。



「これは大発見だぞ!!



これを人類のために、残さなければならない!!」



・・・と男は考えた。



そのときから、イルカ語辞書を書き始めた。



男は独自の発音記号を発明し、簡単な挨拶から、複雑な会話までどんどん書き進めた。



イルカ辞書はかなりの分厚いものになった。



他のイルカも入り江に来るようになり、男はイルカたちと何不自由なく会話が出来るまで上達した。



イルカが冗談好きであることも分かった。



・・・・・・



しかし、島にある彼の小屋が発見されたのは、彼の死んだずっと後だった。



小屋に入ると、白骨化した彼の遺体があり、彼の手は分厚い本の上に置かれていた。



その本のページには、左に言葉が書いてあり、右には不思議な記号が書かれていた。



当然のことながら、発見者はこの本の意味が全く分からなかった。



もちろんその価値についても。



こうして、人類にとっての重大な発見も、誰にも知られずに消えていったのであった。








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