【台湾問題は日本問題】
岡崎久彦著
海竜社
2008年5月30日
著者は、外務省で長年情報分析の仕事をしてきた人。
もちろん東大出身。
前書きを読んで驚いたのだが、この本のために書かれた部分は、最後の1章のみ。
あとは、著者が今まで発表してきた「論文」を年代順に載せただけである。
なんと安易な、出版であろうか。
本人も、最後と台湾の地政学の部分だけ読んで、あとは適当に拾い読みしてくれればいいと、あっけらかんと書いている。
こういうのが、東大のエリート風を吹かしているんだと、カチンと来る。
まあ、それはさておき、情報分析官である。
ここでは、台湾に一番影響力のある中国の分析を主題としている。
膨大な情報の中から、雑音を排除して本音の部分を取り出して分析する。
何ものにも影響されない、先入観を捨てる姿勢が必要である。
ところが、分析する上では原則論(Prinnciple)を持っていなければならない。
これは、よく考えると矛盾している。
自分の持っている中国に対するPrincipleは、先入観そのものではないか?
んー、難しい。
外務省が第一に考えるのは、「日本の国益」である。
基本として、相手はだまそうとしていると考えるのが筋だ。
この人に対する好き嫌いは別として、日本の政治家の外交に対する感覚のなさには、普段から感じているので、こういうPrincipleを持った人は貴重である。
それにしても、中国はしたたかである。