【夏の花】
原 民喜 著
ニンテンドーDS文学全集
新潮文庫 刊
1973年7月30日発行
これには参ったなぁ~。
文学的素養のある人が、実際に広島で被爆した体験記があるとは知らなかった。
体験記と書いたが、やはりこれは文学作品である。
全体的に淡々と書かれており、返ってそのことで、悲惨さがダイレクトに伝わってくる。
普通、こういう現場で目撃すると、目からの情報だけでレポートのように書いてしまうと思う。
作者は、目と心で情景を見ている。
とてつもない、地獄絵巻だったのだろうが、感情的に激高することもなく、ただ淡々と、ひたすら淡々と。
原爆の本質というものを理解するのに、写真や体験者の言葉では十分ではない。
この本は、人類の貴重な財産であると思う。
日本人が絶対に読むべき本だと思う。
そして、アメリカ人が絶対に読まなければならない本であると思う。
後付けの理屈を一切持たず、
原爆で人を殺すということは、
どういうことかを、
先ず理解することが出来るから。