【外科室】
泉鏡花 著
角川文庫 刊
1971年4月20日発行
文語体で書かれているので、ちょっと読みづらかった。
肝心のところを、全く理解していなかった。
あとから、あらすじを読んでもう一度読み直し、ようやく理解できた。
お恥かしい。
なかなかのアイデアである。
上下二部構成にして、余分と思われることを長々と書き、肝心のところをごく短く削ぎ落として、その間の出来事を読者に想像させるのである。
これは、アイデア賞。
伯爵夫人と外科医の禁じられた恋を、当事者達の会話を殆ど描かずに、正確に伝えるのである。