【はつ恋】
ツルゲーネフ(イヴァン・セルゲ-ヴィッチ・ツルゲーネフ)著
新潮文庫
1952年12月25日発行
私はそもそも本にカバーをかけるのは嫌なほうである。
何を読んでいるか知られたくなくて、コソコソするようだから。
でもこの本は、表紙を裏返しにしましたね。
ちょっと、この歳で読むには遅すぎる。
大体あらすじは知っていた。
オヤジが、息子である自分を差し置いて、初恋の相手と出来てしまうのである。
それも、その女性を鞭でピシャリと叩き、手なずけてしまうのである。
130ページほどの短編。
私の予備知識と内容は大して変わりはなかった。
でも、さすが名作。
格調高い。
誰もが辿る、淡い体験・・・・・・・
ジャないぞ。
作者が言いたかったのは、そんな薄っぺらいものじゃなさそうだ。
「はつ恋」というロマンチックな題名とは裏腹に、人間の弱さ、醜さを描いたのではないかな。
人間にはどうしようもない、命のはかなさ。
唯一、毅然として高貴に生き抜いたように思われる父親さえ、やった事は結局浮気であり、彼女に対する未練であり、抗しがたい運命によって、若くして死んでしまったのだから。