【フリーダム・ライターズ】
FREEDOM WRITERS
ヒラリー・スワンク 主演
2007年アメリカ映画
この映画には評価は分かれると思う。
教師モノというジャンル(そんなジャンルあるかというツッコミは無視するとして)として観るなら、平凡な出来だ。
そういった映画の質にこだわる人には、評価は低いと思う。
しかし、「実話」っという要素を考慮する人なら、評価はグッっと上がる。
そして、一度でも教師という立場に立った人なら.....。
子供達が18才まで生きられれば、ラッキーだという世界にはピンとこない。
それも、アフリカではなく、アメリカでだ。
貧困と人種差別の世界で、マイナーな部類に生まれた子供が、生き残るにはギャングになるしかない.....。こういう世界は我々日本人には想像できない。(たぶん大多数の世界にとっても。)
本当かも知れないが、誇張かも知れない。
この辺が、この映画にのめり込めるか否かの分岐点だ。
誇張だと捉えると、映画における展開はシラケル。
だが、一度その設定へのこだわりを捨てると、なかなかいい映画に変身する。
子供って大人が思うほど、自由奔放の世界には生きていない。
自分の子供時代を少しでも覚えている人なら、それは分かるはずだ。
子供にとって、世界はストレスの連続だ。
無邪気な世界とは程遠い。
大人の世界の固まったルールと比べ、その世界は不安定そのものだ。
だから、人生をもう一度繰り返しても良いというチャンスが与えられえたとしても、私は絶対嫌だ。
あの不安定な(ルールの存在しない)子供の時代をもう一度繰り返すなんて、真っ平ゴメンだ。
一皮剥けば、みな本質は良い人間だ。(少なくともその可能性は持っている。)
どんなに、ツッパッていても、環境によってガラッと良い人間に変わるものだ。
あの教室は皆の安心できる母港となったのだ。
そんな母港を持っている人なんて、殆どの大人を含めないのではないか。
すべては環境だ。
子供は弱い。イヤ、全ての人間は弱い生き物だ。
たまたま、あの教室がその弱さを包み込むことが出来たのだ。
あの教師が最初からそのような場を提供しようなどとは意図していなかったはずだ。
子供と真剣に立ち向かったことで、予想外の進展があったのだ。
理論的に再現できる教育論か?...映画の中でも繰り返されていた。
私も教育する立場を経験したことがある。
そのとき、これは私の天職だと思った。
「教えることは学ぶこと。」
これが私が得た結論だ。
何とすばらしい職業だろう。
相手に伝えることによって、自分が成長できる....そんな、職業があることを発見したのだ。
だから、主人公が「私の目的を見つけた」というセリフはすごく共感できた。
亭主と教師のどちらを取るかという選択を突きつけられても、迷いはないはずだ。
もう一回繰り返しますが、この映画は一度でも人を教えるという立場に立った人に観てもらいたい。