【渋沢家三代】 | so what(だから何なんだ)

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そんなお年頃。
68カ国で止まったまま先に進みません。(;^_^A

【渋沢家三代】
佐野 真一 著
文春新書
1998-11-20出版

以前から気になっていた渋沢栄一という人物。
予備知識としては、農民出身だが、刀を差し、江戸に上って明治維新の時代を生き、株式会社を山ほど興した人物.....っという程度。
読み終わったあと、飛鳥山の渋沢栄一記念館にさっそく行ってみた。
入り口にシルクハットを被ってパリで写した写真の看板が立っていた。もし、等身大だったら相当背が低い。
彼の辿った足跡、係わった人々、事業、91歳までの長寿、スケベな好奇心.....を考えると、この小さな体に何と大きなエネルギーが詰まっていたのか!
彼に「乾電池」という渾名を進呈しよう。
帳簿や日記が展示されている。
それにしても昔の人たちは、何という几帳面な文字を書いていたのだろう!
長文にも拘らず、印刷したみたいに字を修正した跡がない。
よほど頭の中で文章を完璧に組み立ててから書く習性が出来上がっていたのだろう。
いまのワープロで出任せに打って後から修正するのとは全く違う。
レコードに吹き込んだ、彼の生前の肉声も聞くことができる。
エジソンからの手紙もある。
おっと、読書感想だった。記念館の感想文ではない。
でも、本を読んだだけでは伝わらない、本人の息遣いが感じられる施設の存在は大変ありがたい。
ハコモノ行政といって、ケチをつけるばかりが能ではないゾ。
しっかし、見学者が少なすぎるな~。私以外に一人しか出会わなかった。職員も2人だ。やたら親切なのが痛々しい。
どうも、記念館から抜けられないな。
感じたこと:
(1)時代が人物を要求し、それに適合した人物が必ず現れることの不思議。はたして渋沢栄一は時代を作ったのだろうか、時代が彼を作ったのか。
(2)血の不思議。家系の中に生まれる、才能と狂気(まあ狂気ではなく放蕩癖だったが)。DNAのなせる業。
(3)儒教、朱子学、漢文の素養がしっかりした人間を作る不思議。ゆとり教育なんぞ、何じゃソリャ?っというくらいふやけた発想。
(4)スケベだから元気なのか、元気だからスケベなのか。