映画【チワワは見ていた ポルノ女優と未亡人の秘密】 | so what(だから何なんだ)

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人生のバックパッカーのブログです。
暇はあるけど体力と金と気力がない。
そんなお年頃。
68カ国で止まったまま先に進みません。(;^_^A

・・・・・・・っということで、ナンやこの題名?というのは置いといて、なかなかクセ者な映画でした。


何ら盛り上がりなく淡々と物語は進んでいきます。

そのくせ、見だしたらなかなか止められません。

カミさんと二人で見ていたのですが、エンドロールが出たときはアレッ!もうオシマイなの???となってしまいました。

何かどんでん返し風の意味深な終わり方だったので、何度も巻き戻して二人で見直しましたが、見たままで、何じゃコレのまま消化不良でした。

不思議なことに、後からジワジワと来るんですね。

そうか、世間の端っこで生きるってこういうことなんだ。

主人公は生きるために「真面目に」ポルノ女優をしています。

自分を卑下することもなく、職業として捉えています。

彼女のルームメイトもヒモと一緒に麻薬を吸いながら、ドン底の生活でも決して暗くならずに前向きに?日々を生きています。

皆ヤクザな人間たちですが、悪人ではありません。

あるときひょんなことから、主人公は数万ドルを手に入れます。

持ち主の老婆はそんな金があったことさえ知りません。

一度は派手な買い物に走ろうとするんですが、やはり老婆に返すべきだと思い直します。

でも、老婆はそんな金がなくても充分一人で生きて行けるくらいの蓄えはあります。

困っているのはクルマの免許証を返還してしまったので、足がないことです。

そこで、無償で運転手を申し出ます。

疑う老婆。

善人たちばかりなのですが、大金の登場で心の中に波乱が起きます。

その辺の心の動きをノンビリと追っていく、そんな物語です。

・・・・・・

そして、問題の最後のシーン。

何度も繰り返した、お婆さんをクルマで送っていく墓地のシーンです。

いつもはお婆さん一人でお参りするのに、その時お婆さんはクルマに残り主人公にお参りしてくれと花を渡すのです。

お婆さんの夫はギャンブラーで子供はいないと言っていたのに、そこには良き夫であり良き父親であったと墓碑に刻まれた夫の墓があります。

それに並んで、若くして亡くなった女の子の墓があったのです。

主人公は、おばあさんに嘘をつきながら親切にしていた後ろめたさがあります。

しかし、お婆さんも主人公に自分の本当のことは隠していたのです。

その後、二人はパリへ向かうことになるのですが、旅先で二人は親子のように打ち解けるのだろうということが暗示されます。

原題は【Starlet】で、主人公が飼っているチワワの名前です。

まっとうに生きるとは何かを考えさせられます。

★★★★☆