アメリカのTVシリーズ【Electrick Dreams】は一話完結のSFで全10話です。
原作者はかの有名なフィリップ・K・ディック(故人)です。
残念ながら彼は生前は貧困状態で、死後に有名になりました。
数多くが映画化されており、ブレード・ランナー、トータル・リコール、マイノリティー・リポート、ペイチェックなどは誰でも知っていますよね。
その彼の短編を原作にしたシリーズです。
まだ5話までしか見ていませんが、それぞれのプロットが実にユニークで、彼の才能を堪能できます。
そのなかで印象に残った第3話。
絶滅しかけた惑星テラ(地球?)が他の惑星に資源を求め、何度も侵略を繰り返しています。
侵攻軍の指揮官の妻は、夫が非情で独善的な性格であることに不満を持っています。
あるとき、侵略戦争に出掛けた夫が他の一人の兵士と負傷して帰ってきます。
治癒すると、夫が妻思いの優しい人間に変わっていることに違和感を持ちます。
他に生還した兵士が異星人に乗り移られたことが判明し、夫も乗っ取られているに違いないと逮捕され軍法会議にかけられます。
妻は夫は人間であると証言しますが、それは偽証だと疑われます。
妻が夫を異星人だと知っているなら、偽証罪に問われます。
そのとき夫が、私が異星人だと認める代わりに妻を罪に問わないでくれと訴えます。
夫に死刑判決が下る間際に妻が発言を求めます。
「検察側は、異星人は人間とは違い、残虐で野蛮で、愛情の欠片も持たないと言いましたよね。しかし、いま夫は自分を犠牲にまでして、妻である私を守ろうとしましたよね。これこそ、彼が人間であることの証明にならないでしょうか?」
【自己犠牲の精神、優しさや愛情、これらのことが人間であることの証明にならないのなら、人間とは何です?】・・・っと問うのです。
・・・・・・・
数ヵ月後、(無罪になった)夫と妻が窓辺で寄り添っています。
妻は夫に話しかけます。
「そろそろアナタの本当の名前を教えてくれない?」
夫「君には難しくて発音できないよ。」
妻「じゃあ、いままで通りでいいわね。」
・・・・・・・
解説するまでもないですが、人間とはなにか、他人を侵略する行為とはなにかを鋭く問いかけています。