・・・・・・・っということで、昨日見た映画【やさしい本泥棒(the book thief)】には、なかなか面白い台詞がありました。
映画はナレーター役の死神が「みんな必ず死ぬ」という言葉から始まります。
物語の顛末を暗示する、何ともふざけた始まりです。
そしてカメラは列車で移動する車内にズームインされ、主人公の幼い弟が突然死します。
弟の亡骸はぼろきれに包まれ、墓穴に埋葬されるシーン。
そのとき、神父が一冊の本を落とし、少女が拾って持ち去ってしまいます。
「本泥棒」の始まりです。
どんな本なのか観客は興味を持ちますが、実は墓掘りマニュアルだったというオチに肩透かしを食らいます。
実はこの少女、文字が読めなかったのです。
この本を使って、養父は読み書きを根気よく少女に教えます。
そして本を読み終わったとき、「ワシが死んだときは間違いなく埋葬してくれるね」と養父が言います。
洒落た台詞ですね。
今年はお墓参りした?
▼本日限定!ブログスタンプ
ここで脇道にそれますが、去年のMLB中継の冒頭に流れていた曲の歌詞の中に「six feet under the ground 」というフレーズがあります。
アメリカでは墓穴は6フィート(182cm)と決まっているのです。
これは狼などの野生動物に掘り返されないためです。
・・・・・・・・
物語は進んで、彼女が住むドイツの町に、イギリスと開戦したニュースが伝わります。
子供たちを先頭に、イギリスをやっつけるぞと民衆は満面の笑顔で駆け出します。
そのときあの死神のナレーションが入ります。
「彼らは勝利に向かって進んでいると思っているが、実は自分(死)に向かって走っていることを知らないんだ」と。
ナチスは本を広場に集めて燃やします。
燃え残った本の一冊を少女は盗みます。
その本は、HGウェルズの【透明人間】でした。
ハテ?ウェルズはれっきとしたイギリス人で、ユダヤ人じゃなかったはず。
実は、彼は社会主義者だったのです。
少女の両親は社会主義者であったため、少女は無理矢理引き離され、養子に出されてしまったのです。
この辺は知識がないと味わえませんね。
空襲が始まり地下壕で怯える人々の中で、少女が物語をぽつっと語り始めます。
人々は先を続けてと少女にお願いします。
闇の中でしか存在できない幽霊の話です。
この話が、少女の自作なのか、ウェルズの作品なのか、あるいは町長の自宅から盗み出してきた本の中にあったのか、ぼくには判りません。
朝と共に幽霊が消えて少女の話が終わると、空襲が終わっていました。
この辺の「言葉の力」の描きかたは好きだなぁ。
読み書きができなかった少女が、本のお陰で人々を癒す力まで身に付けていたのです。
さらに物語は進んで、死神の最初の言葉の通りの結末を迎えます。
どんな結末かは、映画を見てくださいね。
