・・・・・・っということで、ようやく読み終わりました。
1巻約400ページ全6巻を読むのに2週間かかってしまいました。
どれほど遅読か、自分でも呆れます。
でも、面白かったぁ~~(≧~≦))
薦めてくれたSさん、ありがと~~(^0^)/
北海道で知りたかったこと、1)松前藩2)北前船3)アイヌのことが全て網羅されていました。
司馬遼太郎は小説家というより、民俗学者のような学術的な態度で精緻に物語りを組み上げていきます。
作品を仕上げるためにどれだけ多くの文献を漁ったのか、インターネットのない時代を思うと気が遠くなりそうです。
しかも、実際にその土地を訪れ綿密に調査していることが分かります。
彼の作品を読むごとに感じるのは、彼が日本の形というものをずっと追い求めてきた姿勢です。
この作品では江戸時代後期の幕藩体制の矛盾を嘉兵衛という船頭の目を借りて暴いていきます。
国際化という避けることができない命題に、鎖国日本はどう振る舞ったか。。
一方的な批判をしたり、自分の解釈を押し付けることなしに、丁寧に資料から得た事実を積み上げながら日本人の性質を説き明かそうとします。
それは日本人に対してだけではなく、ロシア人に対しても同じ態度を保ちます。
ここが彼の偉いところです。
根底には日本人への深い愛があります。
・・・・・・
解説では触れられていませんでしたが、彼は戦時中戦車部隊に配属されていました。
ご存知のとおり、物語りの舞台である択捉、国後には彼の同僚である戦車部隊も配置されていました。
終戦後に侵略してきたソ連との交戦を禁じられた仲間の怨みを痛いほど感じていたはずです。
しかし、そんな負の感情は行間のどこからも感じられません。
北方四島の返還を声高に叫ぶより、プーチンにこの本の存在を知ってもらうほうが効果的でしょうネ。