・・・・・・っということで、今回神戸で起きた落橋事故関連の昔話し。
以前書いたかどうか忘れてしまいましたが、実はぼくが架けた橋が日本に一つだけあるんです。
コンクリートの橋で橋長は40mほど、確か6主桁だったはずです。
かといってぼくは橋の専門家ではありません。
成り行きでぼくが担当することになってしまったのです。
まあ、話せば長いので割愛しますが。
当然のことながら、橋脚が先に建設されます。
その下を通る道路を通行止めにして迂回路を作り、その道路上を使ってコンクリート製の橋桁を製作しました。
40mというと短いようですが、I桁式の橋長としてはそこそこ長いので、プレストレスといって、ピアノ線を桁の中に仕込んで油圧ジャッキで緊張してから持ち上げるのです。
この辺を細かく書き出すとキリがないので止めておきます。
橋脚の上(橋台)には予め沓(シュウ:shoeの当て字)という受け台(支点)をセットしておきます。
桁をクレーンで吊り上げ、その沓の上に乗せるわけですが、目で見る限り桁の長さと橋脚のスパン(支点と支点の距離)を比べると、どう見ても桁の長さのほうが短く見えてしまうのです。
アリャァ~~~測り間違ったかなと冷や汗をかいてしまいました。
もちろん何度も何度も計測してあるのですが、巻尺の数値を読み間違ったかも知れないと自信が持てなくなったのです。
今ではレーザー光線を使った精密な測距装置があるんですが、当時はスチールテープといってスチール製の巻尺を使っていたのです。
金属製ですから、温度による補正を考慮しなければなりません。
それと決められた張力を与えないと正確な距離は測れないので、バネ計りで引っぱって計測する必要があります。
もし間違っていたら、大恥をかくのはもちろん、関係各所に迷惑をかけてしまい、莫大な損失を出してしまいます。
あのときほど真剣にに神に祈ったことはありませんでした。
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今回事故を起こした橋は、ぼくの経験とは比べ物にならないほど架設方法が難しい工事です。
あれほどの重量物をジャッキダウンするのですから、それはそれは慎重に行わなければなりません。
橋の業界では残念ながら、ジャッキダウンで事故を起こすケースが多いのです。
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ぼくが知っている限り、スリランカで日本の技術者が一人橋梁の事故で亡くなっています。
実際にその事故があった現場を訪問したことがあります。
ジャッキが雨で滑って起きた事故でした。
冥福を祈るプレートが設置されていました。
まだ若い技術者でした。
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事故原因は何か、責任者は誰か、そのうち解明されるはずです。
困難な工事に参加し、残念ながら亡くなってしまった作業員の冥福を祈ると共に、怪我をされた方々が早期に回復されますよう願わざるを得ません。