文明も、宗教も、芸術も、技術も、思想もほとんどが西から入ってきたのです。
もちろん日本人は独自の優れた文明を持っていますので、全部が全部受け入れたと言いっているのではありません。
これはどういう意味でしょう?
ここから先は太平洋。
伝える相手がいないのです。
日本人は受け入れるばかりで、伝える経験がほとんどなかったと言えないでしょうか。
ここから日本の独自性が生まれてくるのじゃないでしょうか。
いまは交通や通信が発達していて、地理的な位置が民族の独自性に与える影響は少なくなったけれど、長い歴史の中でみると、日本人に与えた影響は大きいと考えるべきでしょう。
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日本人の独自性を説明するのに、島国と稲作がよく挙げられます。
ぼくは、これに加え、世界の東の行き止まりという地理的要素を加えたいと思います。
これは良い意味で、全ての芸術や技術は日本において高度に昇華されるということです。
日本の製品があらゆる点で高水準にあるのはこのためです。
芸術だって、中国や東南アジアのものより遥かに繊細で練されていると言っていいでしょう。
日本人は伝わってきたものをそのままにせず、改良を加えずにはいられない民族なのです。
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でも、それとは反対に悪い面もあります。
それは、伝えることがとても下手なことです。
明治維新を経て、日本は急激に発展して、世界と肩を並べるまでになりました。
当時の日本から見ると、西側にあるアジアはとても遅れていたのです。
そこで、これまでとは逆に日本から西に向けて発信するチャンスが巡ってきたのです。
どこかの女性議員が「八紘一宇」と口走りましたが、基本にはその語に秘めた「無邪気な善意」が当時の日本政府にはあったに違いありません。
だけれどもその結果はご存知の通り、周辺国を戦争に巻き込んだあげく敗戦国になって、いまだにその後遺症から立ち直れません。
国の外交でも経済援助でも、民間の経済活動でも、文化交流でも、日本人のこの伝えることの下手さ加減は目を覆わんばかりです。
唯一、故シンガポールのリー・クァンユー元首相が、「Look East」と言ってくれましたが、日本はその言葉にあまりピンと来ていませんでした。
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外交が下手なのも、製品がガラパゴス化するのも、案外こういうことが原因なのかもしれませんね。