
東山魁夷(ひがしやま-かいい)という画家は有名である。
ぼくの持っていた先入観。
日本画家なの?洋画家なの?
確かシルクロードをテーマに一連の作品を書いていたが、正直、感銘は受けなかったな。
生真面目な作風。
学校の教科書に載るような優等生的な絵だけれど、強烈なる個性は感じられない。
・・・どちらかというとそれほど好きではない・・・っというもの。
・・・・・・っで、じっくり鑑賞しました。
当たり前といえば当たり前、技術はスゴイ。
描く為の基礎は抜きん出ている。
どの絵も暖かい。
雪を描いても、寒くはならない。
強烈な直射日光は一切ない。
砂漠でさえ、砂埃でぼやけている。
朝より夕暮れ、太陽より月明かり、澄んだ空気より霧、人間より自然、乾燥より湿ったものを好む。
やっぱり日本画的、あるいは水墨画的。
見たものをそのまま描くのではなく、心のフィルターを必ず透して描いている。
あるものを省略、無いものを付け加える、形をデフォルメするなど、何の制約も受けていない。
だから、観る者にああその通りだよなぁと写実的に受け入れられる。
大正時代の子供はこんな絵を描くよなぁ~
ぼくのオヤジもこういうスケッチをする。
彼が東京美術学校の日本画を専攻したと知り、納得。
油絵よりあくまでも水彩的・・・っというより顔料を使った絵画という印象。
下絵を見ていると、生真面目さが伝わって来る。
彼の絵は彼の性格そのものである。
長い時間をかけて丁寧に自然を観察している。
だから彼の絵を嫌う人は居ない。
優等生的だ。
もし彼を嫌うとすれば、その優等生的なものだけだろう。
いかにも日本画的で、奥行きより平面的だ。
装飾的と言っちゃだめだろうか。
・・・・・・
多くの点でぼくの先入観は間違っており、多くの点で正しかった。
ちなみに、この美術館の空間は実に気持ちがゆったりとさせられる。
長野でぜひ訪れるべき場所である。
