絨毯屋攻防戦 | so what(だから何なんだ)

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・・・・・・っということで、トルコ観光をする際、避けて通れないのが絨毯屋のセールス攻撃である。

昨日遭遇した絨毯のオヤジの手口を紹介するので、参考までに。

断っておくが、悪質ではないのでご安心を。

レストランを探していると、声をかけて来る。

最初はレストランの従業員だと思った。

オススメの料理なんかを教えてもらう。

すると、日本人の知り合いがいて青森に住んでいるという。

もう20年来の友人で、エレクトロニクス関係の仕事をしていて、イスタンブールで知り合ったそうだ。

何度かトルコに来ていて、その時は彼の家に泊まるそうだ。

・・・ってな調子で、100%作り話でもない。

結局彼はレストランの隣で、絨毯屋をしていることがわかる。

ハハ~ンと思うのだが、絨毯の話しは一切しない。

そのうち、ぼくをMy Frendなんて、馴れ馴れしく呼ぶようになった。

こちらも相手の魂胆が分かっているので、この機会にトルコの経済とか政治の話しを振って、いろいろ聞き出してみる。

こちらが食事中は席を外してくれる。

支払いが終わって、席を立とうとすると、トルコティーがどこからともなく運ばれて来る。

あの絨毯屋のオヤジからだという。

名刺をもらったので、ジャマールという名だ。

ぼくよりずっと年上に見えるが、10歳も若い。

挨拶もせずに消えるのは悪いので、ヤツの店に行くと、丁度韓国人の観光客相手に売り付けている最中だった。

実に話術がうまく、感心してしまった。

店を2軒持つやり手だ。

あっという間に土産物を売り付けると、ぼくを本格的なほうの絨毯屋に連れていった。

さて、これからが彼の腕の見せ所だ。

勿論ぼくが買う気全く無いのは伝えてある。

先ず、絨毯の種類について説明しだした。

100%絹、綿と羊毛のミックス。

彼はクルド人で、扱うのはクルド地方産だ。

全部手織りである。

無数にある絨毯のロールを惜し気もなく床に次々と広げていく。

もういいといっても聞かない。

大抵の客はここで、また巻き戻すのが大変だろうなという気にさせられる。

高い絨毯と安いのとの見分け方を触らせて説明する。

これはいくらだと思うかと聞く。

ここで値段を言っちゃいけない。

相手にこちらの購買力の手掛かりを与えてしまうからだ。

相手も手ごわいがこちらも場数を踏んでいる。

買う気が無いと何度言っても無駄だ。

すると、今度は安いほうの絨毯を5万円だと教える。

じゃあこちらの絹100%はいくらと思うかとちょっと違う角度から攻めて来る。

答えないわけには行かない。

2倍の10万円と答えると、すかさず8万5千円と回答して来る。

イスタンブールのグランドバザールなら、この3倍、4倍はすると畳み掛けて来る。

お気付きのように、いつの間にか交渉の価格レベルがインプットされているのだ。

ここはローカルなので原価に近い値段だというのも忘れない。

絨毯の売買のポイントは、客が相場を知らない点にある。

相手を白紙の状態からいかに教育して行くかがミソである。

価格レベルが客の頭にインプットされれば、あとは客の購買力にかかっている。

最悪、玄関の壁に飾るミニチュアだっていいのだ。

ぼくの両親はだいぶ昔に、グランドバザールで値切りもせずに80万円の絨毯を見事に買わされてしまった。

まあ、モノが良く、気に入っているからいいのだろうが。

だが、ぼくはそんなペースには乗らない。

逆に彼のセールスの腕を褒めるばかりだ。

普通の客なら、手ぶらじゃ店を出ないだろうが。

いいセールスマンは無駄だと早く気づくのもいいセールスマンである。

今度は、店の従業員を指差して、彼はシリアの難民だという。

彼の父親は殺され、一家4人で逃げて来たところを、この店で2ヶ月前に雇ったばかりだという。

トルコ語も話せないのに雇っているのは、自分の良心からだという。

そして、クルド地方も貧しい。

自分がこうやって買い付ける行為も、結局は彼等を助けることになる。

グランドバザールの連中に金を払ったって、彼等の懐に納まるだけだと。

・・・っね?

今度は泣き落とし作戦である。

商売はこうでなくっちゃ。


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