・・・・・・っということで、永遠のゼロでも出ていた「VT信管(近接信管)」について。
ご存知のかたは少ないと思いますが、砲弾の先に取り付けられた信管(起爆装置)で、ドップラー効果を利用して、目標物に1番近いた位置で炸裂させることができます。
高射砲だと敵機を直撃しなくても、飛び散った破片によって撃墜することができます。
それまでは砲弾の到達時間を予想して、一々タイマーをセットしてから撃っていました。
この信管の登場で、撃墜率が劇的に上昇しました。
真空管を3本使っていても、大きさは片手で持てるほど。
太平洋戦争末期に、米軍が発明しました。
だいたい分かっていただけました?
スゴイでしょ?
これにより特攻機は目標に近づくずっと手前で撃ち落とされました。
アメリカはこの発明を極秘にしたことはもちろんです。
勿論この技術は地上攻撃でも使えます。
榴弾砲等にはとても有効です。
もっとも不発弾を回収されないように、地上ではあまり使わないとの徹底ぶりでした。
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特攻攻撃が日本軍によって行われた当初、成功率はかなり高かった。
だけれども、沖縄戦のころは殆ど効果がなかった。
アメリカ軍がその間に徹底的に研究し、対策をとったからです。
先ずデータを取り、分析した。
どの角度から攻撃されたときに被害が大きかったか。
大型艦と小型艦との比較、回避行動をとったか否か。
各対空砲火の種類別撃墜率、砲弾の種類・・・
これによりどういう対策が取られたかは細かく触れませんが。
これらを直ちに全軍に伝え、実行できたことに驚くのです。
彼らは真剣に戦う。
勝つためには、自軍の損害を最小限に留めるにはどうすればいいか、知っているし出来るのです。
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それに比べ日本軍のなんと弱いことか。
負けた原因を分析する能力が著しく劣っている。
ただちに対応策を構築するなどもってのほか。
昔勝った記憶にしがみつき、そこから一歩も抜け出せない。
兵隊の命などタダ同然だと思っていたのかと批判されても仕方がない。
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長長と書いてきましたが、今も当時と本質は変わっていないんじゃないかと言いたいのです、オリンピックを見ていて・・・。
今のオリンピックは、個人の努力や工夫だけじゃ勝てないはずです。
科学的なトレーニングなしには、強い選手を育成できない段階になっている。
統計学や、医学、栄養学、工学、心理学などの総合的な力の差が勝敗を分ける重要な要素になっている。
選手のコメントなどを聞いているとそれが良く分かる。
スピードスケート系で、オランダがあれほど強かったのは、絶対に裏に何か秘密があるはずです。
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ところが日本人は、すぐ話を浪花節にしてしまう嫌いがある。
選手の生い立ちとか、辛い練習に耐えたど根性とか、そういったものにスポットライトを当てて、科学的な側面で理解しようとしない。
森元総理の失言などは、如何に科学とかけ離れているかが分かるじゃないですか。
勝負ごとには科学的なアプローチが不可欠だと、日本人はもっと認識しなければならないんじゃないでしょうか。
もうアメリカと戦争しようとする日本人はいないでしょうが、何で負けたか位は教訓を得るべきです。
いまも外交やビジネスでは戦い続けているのですから。
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ナンか無理な展開でしたが、企業にいたとき同様なことで悩まされ続けたもので。
(><;)