・・・・・・っということで、また清里に来ている。
夏が過ぎると、人影と一緒に浮かれた空気もどこかに消え去ってしまった。
ただでさえ寂しい清里の駅前が、文字通りシャッター通りと化している。
それでも何軒かは店を開けていて、店内を覗いても客どころか店員の姿さえ見えない。
きちんと並べられたテーブルがピカピカに磨き上げられ花などが飾られているのが、いっそう寂しさを感じさせる。
今週の前半は晴れるとの天気予報に見事裏切られ、晴れていれば富士山が遠望できる清泉寮のソフトクリーム屋のテラスからは鉛色の雨雲が見えるだけである。
背もたれ付きの木製の椅子に座り、手すりに足を乗せて読書をしたが、時折霧雨が顔に当たる状態で半袖では1時間半ほどが限界だった。
薄手のジャケットを持ってこなかったことを後悔した。
しかも、大阪からツアーで来たという図々しいオバチャンが選りによってぼくの隣に腰を落ち着けてしまい、彼女の出すだみ声で読書に集中できなくなってしまった。
そのうえ、彼女の連れ合いがヘビースモーカーで、当然のごとく風下にいるぼくは、広々とした初秋の高原のテラスで時々富士山を眺めながら読書をするというロマンチックな望みは、粉々に砕かれてしまったのでした。
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