・・・・・・っということで、【パシフィック・リム】を観た。
この映画を批判するのは野暮である。
怪獣と人型ロボットのバトルを大画面+3D+大音量でこれでもかってなくらいに見せる。
この映画には監督の夢が詰まっている。
怪獣映画といえば日本がオリジナルだ。
だから、映画の中では日本へのリスペクトを込めて、「Kaiju」と呼ばせている。
怪獣は都市を壊さなきゃならない。
それと戦うロボットはやはり人間の形をしていなければならない。
何でかと聞くのは野暮だ。
そう決まっているのだから。
監督の夢とは、一度でいいから、ぬいぐるみと分かる怪獣と、背中にチャックのあるロボットがいかにも作り物の街で戦うのではなく、リアリティーのある映像で見たかったことに尽きる。
そして今の技術はそれを可能に出来るのである。(金さえ出せば。)
おお、この重量感を見よ。
おお、この巨大さを見よ。
おお、この質感を見よ。
監督の夢は叶った。
だが、これは彼自身の夢だけではない。
戦後、少ない予算で、未熟な技術を使って試行錯誤で作り上げていた、日本の映画関係者全員の夢なのである。
ありがとう。
あの時、熱に憑かれたように怪獣映画を作っていた日本人。
ただ、面白い映画を作って、驚かせたいとした日本人。
あの時蒔いた種が、いまここにこうしてアメリカ人監督によって芽を吹き、花を咲かせたのである。
ありがとう。
本当なら、今の日本人が作らなきゃならない映画だった。
ところが、こんなバカバカしい映画に大金を使えるかっ!
・・・っというのが今の日本人なのである。
そういう意味において(どんな意味?)日本人はこの映画を観に行くべきなのである。
観るだけじゃダメ。
出来るだけ大画面で、それも3Dメガネをかけて、
そして、ぼくのように前から4列目という近さで、
ドップリと映画に浸かって欲しいのである。
・・・・・・
そういう意味において(どんな意味?)
この映画を批判するのは野暮なのである。
ありがとう。