・・・・・・っということで、その事業部の中でぼくの班だけが唯一黒字であった。
こういうのもナンだが、ぼくの班が事業部を支えているようなものだった。
だけれども、事業部全体の巨大な赤字はとてもまかない切れるものではなかった。
バブルのときに良く見られた、無謀な投資によって失敗する典型的なパターンですね。
いつしか、事業部は名前を変えて、大幅に縮小させられた。
本業とは関係ない仕事だったので、ぼくの班はそれに伴い解散となった。
その際、H君はぼくの元から去って、田舎の工場に赴任していった。
ところが、よりによって飲み会の席で社長と喧嘩してしまったのである。
その際、怒った社長が投げつけた何かが彼の額に当たって、少し流血したようだ。
真夜中に彼からぼくの自宅に電話があって、社長と喧嘩してしまったがぼくは悪くないと泣きながら訴えた。
H君は再度配置換えとなり、会社の主力である事業部に移っていった。
会社は彼を鍛えなおさなければならないと考えたようだ。
そこでも彼は結構がんばったようだ。
だが、会社に辞表を提出するまでにそれほど時間はかからなかった。