・・・・・・・っということで、「国家についてシリーズ」中途半端で放置していましたが、続きを書きます。
今まで書いてきたことをまとめると、現代の国家はDNA(民族)より、経済による結びつきに変化している。
即ち、国家という経済集合体としてまとまっているほうが有利(得)だからである。
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もちろん歴史的な経過を辿っているのであるから、血による結びつきは大本としてあるが、今ではあまり意味がないと思っていいだろう。
ちょっと脱線するが、今の時代に民族の繋がりを説いて愛国心を煽る人たちを見たら、要注意である。
もちろん国家を守るためには軍備は不可欠であるが、昔の軍隊は直接国民を守るためにあった。
それは敵国に占領されてしまえば、肉親が殺されたり奴隷になるからである。
だが、今の敵の目的は経済的に乗っ取ることに変化している。
物理的に領土を侵略し、資源を奪うことはもはや第一目的ではない。
日本を占領したって、ろくに資源がないのは分かりきっている。
敵国が欲しいのは、日本の持っている経済力なのだ。
日本が恐れるのは、他国に経済を支配され、自ら得た利潤を不当に吸い取られることだ。
こうやって考えていくと、みんなの心の中に持っている「国家の形」が大分変化していることに気がつく。
経済の交流なしに、現代の国家は存在し得ない。
自らの国内だけで、経済が完結することはあり得ない。
話をすっ飛ばすと、世界は分業になっているのだ。
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こうなると、「国境」の重要性がとてつもなく薄くなってくる。
逆に障害になっているとさえ言える。
今回ヨーロッパで行われたユーロへの通貨統一は、大胆なる実験ではあるが、必然性を持っていたと思われる。
ヨーロッパ各国が国家にこだわって、国境線を引き関税を設け、バラバラに自国通貨を持つことは経済的に効率が悪いのだ。
ヨーロッパという一つの経済圏でまとまったほうが、経済競争では有利であり、得なのだ。
そうなると、国という概念はさらに経済圏というまとまりに変化していく。
最近のTPPやASEAN、NAFTA、EUなどは全てこの流れの中にある問題なのである。
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突拍子もない提案と思われるかもしれないが、いま日本と韓国が経済協定を結び、関税を撤廃し、通貨を統一したとする。
この二国は経済構造の上でラップする部分が多い。
二国で競争して叩き合うのではなく、統合すれば無駄が省かれ、とても効率的で競争力のある経済圏(?)が出来上がる。
福岡にある会社が東京に出張するより、ソウルとか釜山の方がはるかに近いのである。
もし、経済力が強化されるとしたら、台湾を加えた三国経済圏でもいいはずだ。
まだまだ、血による国家意識が強いので、これは夢物語と思われるかもしれないが、ヨーロッパでは実行してしまったのである。
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さて、いまユーロ圏に試練が訪れている。
それまでの国家なら、ギリシャは独自の通貨であったドラクマを印刷しさえすればよかった。
経済格差のある国々が寄り集まることで生じる、これは予想された事態であったと思う。
ユーロ構想が失敗して、また一歩後退した国に揺り戻すのか。
あるいは乗り切って、新しい国家の未来像を先取りするのか。
とても面白い局面になっていると思う。
そういう意味でTPP問題はとても重要であるとともに難しい問題である。
日本がそういった経済圏に加わらず、これからも独自で競争していく自信と実力があるのか。
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曖昧になってきた「国家」の概念について、ちょっと考えてみた。
以上で、このシリーズおわり。