・・・・・・・っということで、昔はオーディオブームってありましたよね。
でっかいスピーカーボックスと、プリメインアンプと、チューナーと、レコードプレーヤーがセットになったヤツ。
あんなデカいセットを、よく各家庭で持っていたものだ。
ぼくはクラシック音楽に凝っていたので、よく大音量にして聴いていたものだ。
ところがいまは、そんなふうに音楽を聴く人がいない。
第一、ステレオセットなんて邪魔だ。
殆どの人がi-podを始めとする携帯型デジタル音楽プレイヤーで、
しかも(チャチな)イヤホンで聴いている。
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確かに、音楽が身近になったことは、いいことだろうけれど、
本当にイイ音ってあまり追求しなくなっちゃったんじゃないかな?
ぼくは音楽を聴くなら、あのでかいスピーカーで腹に響くような重低音で聴きたいな。
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いまの音は確かに、雑音がなく、クリアで、いい音だとは思うけれど、
あれって、みんなデジタルの音なんですよね。
そう思って回りを見渡すと、みんなデジタル。
1,300万画素のカメラも画像を拡大していけば、四角い点の集まりだ。
携帯電話もデジタル。
飛び交う信号もデジタル。
でも、自然界にはデジタルはない。
全て連続した、境界のハッキリしないアナログだ。
バイオリンの響きは弦が振動する周波数だ。
昔はそれを再生される音も、レコード針が溝を辿る振動を増幅した周波数だ。
耳に聞こえない雑音が必ず拾われていた。
写真だって、いくら拡大したって、点の集まりなんかじゃなかった。
アナログは人間が加工したとはいえ、自然により近かったはずだ。
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デジタルは、0と1との集合だ。
無機質極まりない。
そんなもので、人間が騙されているだけだ。
そして、ついにテレビもデジタルになる。
世の中みんな、デジタルで囲まれた世界で生きていくことになる。
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だからナンだと聞かれても、上手く言い返せない。
ただ、人間も次第にデジタル化していくんじゃないかと感じるのだ。
テレビだって、3Dになりつつあるじゃないですか。
でも、自然界を見渡せば、全部立体だ。
平面なんかアリャしない。
自然に出て、目で見て、手で触って、耳で聞くということを、
「意識して」やらなければ、五感がおかしくなるんじゃないかと言いたいだけだ。