・・・・・・・っということで、重大事件が目の前に起きているにも拘らず、みんな無関心である。
昨日の夕方、新宿の裏通りで刃物を持った若造が何やらわめいている。
そうね、5mくらい前だったかな。
白のワイシャツと黒いズボン。
背中を向けていたので、どういう表情をしていたか分からない。
向こう側に同じような格好をした店員と思しき男がいたので、
それと口論しているのかと思った。
だが、その男が店の勝手口に姿を消しても、まだその先の道路に向かって叫んでいる。
足元がおぼつかない。
ヨロヨロと進んだかと思ったら、また立ち止まって足を踏ん張りながら、大声で叫ぶ。
確かに、右の手には光る刃物を握り締めている。
ぼくはすぐ歩みを止め、様子を窺った。
でも、気付かないのか女性が携帯を覗き込んだまま、その男を追い越していく。
それって、ヤバイよ。
店から変に思った人々が顔を出すが、何をするわけでもない。
たぶん、ヤクでラリっていたのだろう。
ひょっとすると、この界隈では日常的に起きる出来事なのかも知れない。
・・・・・・
たぶん、この間のマツダ事件でも、秋葉原の事件でも、
重大なことが目の前で起きているはずなのに、
まるで、日常の当たり前の光景のように見えていたんじゃないかなと、
ふと思った。