心の風邪(その2) | so what(だから何なんだ)

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人生のバックパッカーのブログです。
暇はあるけど体力と金と気力がない。
そんなお年頃。
68カ国で止まったまま先に進みません。(;^_^A

・・・・・・っということで、なぜかぼくんところには、問題社員が回されてくる。


これも、だいぶ昔の話だが、会社のトップに近いスジからの依頼だった。


会社で付き合いのある地方の実力者なのだが、その息子を預かってくれと言われた。


オヤジはリッパな人間なのだが、息子はサッパリなのである。


どうサッパリなのかというと、無気力なのである。


もう大学生の歳なのだが、学校にも行かずに遊び呆けているのである。


悪い仲間達と。


最初にその息子と会ったとき、「こんな人間見たことない」と思った。


瞳(ひとみ)が空洞なのである。


目が濁っているとか、輝きがないとかは分かってもらえるでしょうが、


彼の瞳は、ブラックホールのように底なしなのである。


上司の依頼は、ちょうどその頃ぼくが担当していたアメリカの関係会社に、


彼を留学(?)じゃなくて、向こうで仕事で使ってくれというのだ。


もうムチャクチャな依頼なんですね。


オヤジとすれば、世間体が悪いんです。


大学も行かず、遊んでばかりいる息子って。


そこで、一発逆転を狙って、アメリカで仕事をさせ、


ついでに英語を覚えさせ、「ハク」を付けてから帰国させようと。


そんな恥ずかしいことを頼めるのは、仕事で世話をしている当社だけだったというわけ。


何で学校への留学じゃないかというと、四六時中目が届かないからだ。


・・・・・・


親バカって、本質的には喜劇ですが、ここまで来ると悲劇ですね。


それでも、薮から棒に送るわけには行かない。


英語が全くダメだったのです。


そこで、「留学」させる前に、四谷の語学学校に入学させた。


高い入学金と、授業料、教科書代を払い。


でも、通ったのは、1日だけ。


すぐに、田舎の悪い連中のところへ戻ってしまった。


・・・・・・


この辺で、ぼくもかなり抵抗したんだけど、聞き入れてもらえなかった。


それじゃっテェんで、会社の社員寮に押し込んで、会社でアルバイトさせることにした。


これなら、目が届く。


基本的に馬鹿じゃないから、仕事をさせれば平均的なことは出来る。


3ヶ月くらいは働いてくれたかな。


でも、そんな程度では改心しないんですよね。


また脱走。


連れ戻す。


でも、また脱走の繰り返し。


・・・・・・


ついに、ぼくは手紙を書きましたよ。


オヤジさん宛てに。


自分で言うのもナンだが、結構な名文だった。


送る前に、トップの了解を得るために読ませた。


「ウンこれはいい手紙だ。残念だけど君はよくやってくれた。」っと、コメントを貰った。


だが、その手紙を託した上司が相手に渡さずに、握りつぶしてしまった。


だいたい想像が付いたが、それ以上は関わりあいたくなかった。


・・・・・・


エット、何を書きたかったんだっけ?


そうそう、その息子なんですよ。


いまから思えば、彼の空洞のような瞳は、「ヤク」のせいだったんじゃないかってネ。


でも、彼がそんな風になった一番の原因は、


地方の実力者の息子ってぇ心の重荷だったんだろうな。


一度、オヤジとも会ったことがあったが、とてもリッパな人格者だった。


その後、彼がどうなったか?


女性と同棲するようになったと聞いています。


その後の消息は分かりません。


でも、トコトン親父から離れていったと思います。


その方が彼の幸せだったとか、人生の落伍者になったのは自業自得だとか、


そんなことを言うつもりはありません。


ただ、それが彼の人生なんだとしか言えません。