・・・・・・っということで、クチというサイゴンから南78kmにある村に行ってきました。
その村は、ベトナム戦争華やかりしころ、ベトコン(ゲリラ)が地下トンネルを作って、要塞化した場所として有名です。
手掘りの狭いトンネルを網の目のように張り巡らし、ナンとその総延長は200kmにもなるといいます。
見学する前にビデオ学習をさせられます。
ハワイのハナウマ湾に入るときに見せられるビデオみたいなものです。
ベトナム人が平和に文化的な生活を送ってきたのに、悪魔のようなアメリカ軍が侵略してきて、メチャクチャにしたとか、愛国心を煽るプロパガンダ調の口調には苦笑させられました。
一番小さいサイズのトンネル入り口、メタボ気味のフランス女性はちょっと苦戦していた。
これは落とし穴。
もちろん、底にはとがった竹やりが待ち構えている。
これ以外にも落とし穴の仕掛けがたくさんあるのだが、本当にこれに引っ掛かったアメリカ軍はいるのかと、ちょっと疑問に感じた。
それよりも、心理的に怯えさせる効果の方が高かったような気がする。
この辺りは、B52の爆撃が激しく、たくさんの不発弾が残ったそうだ。
ベトコンたちは、それを分解して、地雷に改造したり、鉄を溶かして、別のものに作り変えたり、究極のリサイクルライフを送っていたそうだ。
あちこちに、当時のベトコンのマネキンが置いてある。
お決まりの、戦車のスクラップ。
アメリカ軍のだと説明していたが、これは当時の南ベトナム政府軍に払い下げられた、アメリカの中古戦車だろう。
ツアーの目玉は、実際にトンネル内をくぐる実体験。
30m、60m、90mコースがあるのだが、最短の30mだけでもう沢山という気分になる。
狭いこと狭いこと。
暑いこと暑いこと。
途中這いつくばらなければ通れない箇所もある。
右に左に、
上に下に、
懐中電灯だけの明かりで、移動するのだが、途中で恐怖心が襲ってくる。
外に出たときは、正直ホッとする。
もう汗びっしょりだ。
こりゃ、アメリカ軍が勝てなかったわけだ。
ちなみに、ベトナム戦争は、1960年から1975年まで続いたとのこと。
クチのトンネルに向かう途中で立ち寄った、身体障害者の雇用を確保するために設立された、漆製品工場。
作業員は、アメリカ軍が散布した枯葉剤(ダイオキシン)の影響で、手足に奇形を生じた人たちとのガイドの説明だった。
しかし、それ以外の理由による身障者の方が多いのではないかと、私は疑問を持った。
アヒルの卵の殻を砕いて絵を描く者や、貝殻を糸鋸一本で、細かく細工する者など、根気の要る細かい手作業を一心にやっていた。
これを見学した後は、お決まりの漆塗り製品のショップに連れて行かれる。
そのまま、何も買わず手ぶらで出るのは、なかなか難しい。
結局、漆塗りの絵画を買わされてしまった。