麻酔から目が覚めた。


「手術お疲れさまね。無事に終わりましたよ。

なにかあったら、このナースコールを押して呼んでください」


(あぁ、もう痛くない。あの痛みからやっと解放された…)


今は傷の痛みを感じる。


目の届く範囲でしか分からないけど、

点滴

酸素マスク

大きい血圧計 

その他にもチューブが見える……


手術中、管が入っていたせいか喉も痛い。


(なにか飲みたい…)


(心配かけてしまった家族に早く会いたい…)


ナースステーションが目の前の暗い観察室で

1時間おきに目が覚める。


こんなに時間が長いと感じた夜は初めてかもしれない。


朝6時


母親に連絡した。


「おはよう」


すぐに返事がきた。


「おはよう 連絡がきて泣きそうになったよ

目が覚めたんだね。よかった」


母も父も寝ずに待っていてくれたらしい。


(ありがとう。早く会いたいな。)


そんなことを思うのも束の間、朝になると病棟に動きが出てくる。


「ベッド移動しますね。窓際ちょうど空きました。歩ければ自力でお願いします。ゆっくりでいいので。寝たきりだと腸閉塞になることもありますから」


(へええええぇぇ…ガーン自力でガーン

ス、スパルタァァあせる)


でも、術後の合併症や感染症はもっとやだ。


それに動くことで血流を良くして血栓もできにくくなる。


(が、がんばろう…)


人生初めての入院生活が始まった。


続く。