海外資金が殺到する「変わらない日本」の不動産 | ≪ワンストップ不動産コンサル≫ 第一管財 (東京)

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どこから何をみるかで、記事も色んなとらえ方になります。。。




(2012年9月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 中国の近隣諸国への攻撃的な姿勢を不安視する心理がアジアに広がっている兆候は多々ある。それがどこよりも強いのが台湾だ。多くの台湾人は中国が、反抗的な一地方と見なす台湾を力ずくで正式に併合するのは時間の問題と考えている。



■安定を求める資金の逃避先に


 直感に反するかもしれないが、こうしたアジア地域の緊張の高まりから恩恵を受けるのは日本のようだ。例えば、台湾マネーが最近、日本の不動産市場に流れ込み始めた。手っ取り早い稼ぎを狙う投機資金ではなく、没収を恐れて安全な避難先を探す逃避資金だ。

 東京の不動産会社ラルゴ・コーポレーションの創業者である山本治男社長の下で働くスタッフは、毎月台湾を訪れ、日本の不動産購入に関するセミナーを開く。一方でラルゴなど多くの企業は、日本人を相手に「異邦人」に不動産を売る技を指南している。

 過去20年間、日本が柔軟性を欠き、変われないことは明白だった。だが、まさにその安定性のために、他のアジア諸国の不安定さを恐れる人にとって日本は魅力的な目的地になった。実際、ある意味で日本の不動産は究極のリスク回避的な投資先だ。米国債に不信感を抱く外国人にとっては特にそうだ。




■金融資産より実物資産を重視


 こうした状況は、相変わらずデフレが不変の脅威で、長期的には人口動態がさらに大きな危険をもたらす国にも投資機会があり得ることを示唆している。

 東証株価指数TOPIXの不動産指数は今年に入り30%近く上昇した。もっともその一部は、他の資産購入と並んで国内の不動産投資信託(REIT)を買っている日銀の動きを反映したものだ。

 ただ、機会がある場所は以前と異なる。現在、日本はシリコンバレーよりスイスに近く、先端的というより落ち着く場所だ。もはや投資とは、最高の技術と最も魅力的な製品を擁する企業の株を買うことではなく、これ以上大きく下がりようのない資産の購入なのだ。



 不動産への熱意は、世界が金融資産より実物資産を重視しつつある流れの中で生じた。銀行株を買うより、不動産会社の株やファンドを買った方が良いわけだ。年金基金と政府系ファンドはとりわけ貪欲な買い手だ。年金基金を呼び込み易くするため、ゴールドマン・サックスなどは日本で非上場REITを組成し、ファンドが保有資産を時価評価して潜在的なボラティリティー(振れ)に耐える必要がないようにしている。




■台湾人や中国人が所有する一等地


 現在、(日本人が自国のシャンゼリゼと見なす)表参道などの東京の一等地は、部分的に台湾人が所有している。投資家は地元の銀行や日本の銀行からたった2%の金利で資金を借り入れ、5~6%の利回りで投資できる。日本国債の利回りが0.7%の世界では、立派なリターンだ。


 本土の中国人も日本に押し寄せている。ブラックストーンは中国の政府系ファンドの代理人として、日本の不動産ポートフォリオを購入した。一方で中国本土から日本に流れ込む逃避資本も多く、買い手は現金払いやデビットカードで不動産を取引している。


 プライベートエクイティ(非上場株)投資会社のTPGが投資家に宛てた直近の書簡によると、同社は市場価値に約25%上乗せした値段で、不良債権化した不動産ポートフォリオを複数購入した。米ワシントン州は、日本と中国の不動産に投資する会社を支援している。香港に拠点を構えるパシフィック・アライアンスとセキュアード・キャピタルは、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)から表参道のしゃれたビルを買い取ったばかりだ。


 円が比較的強いという事実は、外国人投資家にとって資産購入を割高にする。だが、これは同時に投資の魅力を高めてもいる。円は紙幣増刷に消極的な中央銀行が裏づける数少ない主要通貨の1つで、近く下落する可能性は低いと見られるからだ。




■日本人が傍観する間に


 それでも、こうしたセールスポイントは日本人自身にとってそれほど明白ではない。実際、日本人投資家は自国市場を信用しておらず、米国のREIT市場に500億ドルの資金が流れ込んだ。


 つい最近、東京証券取引所と金融庁の使節団が(ゴールドマン・サックスとともに)米国を訪れた。自国市場に対する日本人の関心を高めるにはどうしたらいいかを学ぶためだ。日本市場は、国内の大手不動産会社がREITをゴミ捨て場として使う傾向に苦しめられている。証券会社のCLSAによると、例えばREITに自社株買いへの参画や株主割当増資の実施を認めるようにするといった話が出ているという。


 だが最も重要なポイントは、株式市場などと異なり、日本の不動産市場は外国人にオープンなことだ。日本人が傍観している今、外国人の存在は大きな変化をもたらしうる。