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風印 -windmark-

「遠くふけふけ、どこまでも。」

Ⅰ.
曇った空から まぎれるように
我慢しきれず こぼれた初雪は
降れども降れども 積もらない
濡れた地面に 積もらない

火照る僕の手のひらで受け止めて
瞬間消えて 僕らは笑う
かじかむ君の手のひらに舞い降りて
刹那見合って 僕らは笑う


Ⅱ.
はらり ぽとり
あまやどり
こおり ひとふり
ひやりのはじまり

はらり さらり
ふたりはひとり
はらり ふわり
ふたりはひとり
みぎどなり



#Winter
転がり込んで目が覚めて
癒えぬ擦り傷 吹いて乾かし
かさぶた剥がしてコンティニュー

一夜明かして目が覚めて
知らぬ古傷 知らず抉って
絆のつもりでコンティニュー

平手食らって目が覚めて
見えぬ生傷 消えぬ鈍痛
それでも選んだコンティニュー
傷も痛みも 悩みも過去も
捨てず引き連れコンティニュー



#SlippedSleptSlapped
知らなかったはずのふたり
僕らははっきりとそこにいた


見つめあったはずのふたり
ぼやける視界と霞む君


繋がったはずのふたり
その感触は空に消えた


重なったはずのふたり
心だけがその空白を知っていた
僕だけがその現実から目を背けて 笑った


#TheCloserTheMoreObscure
言葉を交わし 想いを躱し
わざと急所を外して 君が僕を刺す
所詮慰め 病んで惑って
感傷と干渉のリフレイン

垂れる血は 濃く光る赤
溜まれば 僕を死に至らせる赤
もう誰も 傷つけてほしくない
「もう少し 傷つけてほしくない?」
堕落と魅惑のリフレイン


#LoveIsPain
足踏みする夏に まどろみながら
未だ冷え込む夜はひとり
目が覚めても きっと思い出す
君のいない 僕の世界


間近に迫る夏を 待ちきれないまま
ほのかに火照る夜はふたり
目が覚めても きっと回りゆく
僕のいない 君の世界


そんな想いも いまは昔
忘れ形見の 夏風吹いて
目が覚めたら そっと動き出す
僕のいない、僕の世界。



#ToBeResurrected
赤血球と白血球の代わりに
0と1とが 体内を巡る
それらは確かに ヒトへと迫りゆく
 
生身の言葉は もはや幻
生身の相手に 僕らは言う
口から送信 耳から受信

"電子音で伝えてよ"


#Synthesized
いろんな歌が いろんな言葉で
この僕のちっぽけさを 押し付ける

いろんな心を いろんな言葉で
この僕が ちっぽけな唄にする

「70億分の1」のはずの
「宇宙の塵のひとつ」のはずの
極めてミニマムな僕は へらへら笑って
地球に玉乗りして おどけて見せた


#"Copy"Right
毎晩読み直して 考え直しても
何かが足りない そんな気がして
封すら閉じられないままの
出せない出せない 君への手紙

想いを募らせて 溢れさせても
それをまとめる言葉がなくて
宛名すら 白紙のままの
書けない書けない 君への手紙

そういう未来を 瞬間悟って
3秒立ち止まった 文具売り場
便箋も封筒も 買わないままの
見えない手紙と 見えない僕


#(Without)Letters2U
幾度となく綴ってきた 恋という言葉
ある時は その名前を変え
ある時は その中身を変え
結局 放り出すことは出来なかった
執着と終着のリフレイン

僕が綴ってきた ほんのわずかな世界の
何億倍もの愛が この街を照らしている
この小さな小さな 生まれたての光も
やがて来る今日という日に 捧げます
彷徨と陽光のリフレイン


#ThingsNeverEnding
もうあんな痛みはごめんだと
愛やら恋やら 丸めて投げた
やがて忘れて またすり抜けて
痛覚と誘惑のリフレイン

希望を捨てたふりをしながら
心に刺さる白い棘を待つ
その痛みと喜びを 秤にかけて
前進と天秤のリフレイン


#ThingsNeverEnding