リーダーシップという言葉。僕もこの手の本を熱心に読んでいた時期があり、勉強したものですが。
いま、自分自身を振り返って思うのは、本やセミナーで学ぶことに興味が大きくなりすぎ、実経験から学ぶことがおろそかになっていたなぁということ。
学んだことが絶対になってしまい、実経験でそれにそぐわないことが起こっていたり結果すらでてないのに、それに対する適応ができていなかったってこと。要するに、満足しているのは自分だけってこと。
勉強することはもちろん大切なんだけど、学んだことに感銘を受けて盲信するあまりに、現実に自分の周りで起こっていることとのズレや、結果がでていないことを受け入れて、自分は何かを間違っているのではないか?という自責の意識が薄れるんですね。ちょっと前にブログで書いた「ダウンロードしかしない人」状態。
だから気をつけた方がいい。自分が「こうだ!」と思っていたことと違う意見を誰かが言った時に、条件反射で「え、なんで?違うだろ?」って思考が先にくる。
本やセミナーで勉強する時は自分をゼロにして他者の意見・考えをしっかり吸収できるのに、なぜか実経験では自分の考えと異なるものを受け入れることに強い抵抗を感じてしまう。
勉強して覚えたことが一番重要で、それをもとにした自分の考え方に縛られてしまうんですね。リーダーシップという言葉、そして学びにはそういう独特の毒がある。
僕は最近ようやくそのことに気づいた。それは、とある人から受けたシンプルな質問がきっかけだった。
『多くの従業員はリーダーシップを求めていますよ。それは間違いないと思います。ところで内海さんが目指しているリーダーシップは、周囲の人が内海さんに求めているリーダーシップとは一致していますか?』
そんなこと真剣に考えたことも、知ろうとしたことも、大切だと思ったこともなかった。それを見透かされた質問だった。
一致していればよいという問題ではなく、そういう現実視点も勉強したことと同じように重視した方がいいよ、そういう意味だろう。姿勢や対応、冒頭で書いた実経験による適応。
もし、あなたが僕と同じならぜひ一度自分が「リーダーシップ中毒」かも知れないということを考えてみるくらいはしてもいいと思う。
リーダーシップという「学び」に犯され、実際の経験から得らること、得るべきこと、そしてその大切さを、実は自分で思ってたほど重視していないかもしれない。