【2mの距離を走る理由】 | Live with Max.

Live with Max.

世の中のあらゆることは、人間関係に行きつく。
そんな視点でいろんなことを考えながら書いています。

新富士駅から始発の新幹線より。


投稿写真




始発だけど、ホームにはおそらく100人以上は並んでいたんじゃないかなとびっくり。早めにきておいて良かった。

 重要な案件があるので、万全を期すため駅にも改札が空く前に到着できるくらいの時間にタクシーを頼んでおいたが、正解だった。

 タクシーを予約しておいた時間の5分前にホテルの部屋をでて、エレベーターを待ちながらふと窓ガラスから地上を見下ろすと、入り口前に止まっているタクシーの車体の上の表示が目に入る。『もう来てくれてたんだ、良かったな』と思いながらさらに窓に近づくと車全体が見えた。

 運転手さんが車の前に立って背筋を伸ばし、手を前でキレイに組み、トランクも空けた状態で入り口を見つめていた。

 その姿を見た時点ですぐに分かる。こんな早い時間にホテルを出る人はあまりいないだろう。僕が下に降りて外に出ようと自動ドアが開いた瞬間に僕の名前を呼んで気持ちの良い挨拶をしてくる、確定だな。

 『内海様ですね、おはようございます。』

 『おはようございます、いつもこうやって車の外でお客様を待っているんですか?』

 『はい、会社の方針なので。』と、笑顔で運転手さん。


 そうか。。。この運転手さんがたまたまそうだったわけではないのか。たとえ仕事だから、会社の方針だからとはいえ、僕は気持が良かった、そのことについては感謝すべきことだ。

 駅には改札が開く5分前に予定通り到着。料金を支払うと運転手さんがドアを開けて降り、小走りで車の後方へ回り込み、トランクから僕のスーツケースを取り出し、歩道へと運んでくれた。運転席からトランクまで、たかだか2mくらいの距離だろう。それをわざわざ走って移動する。これも会社の方針だというのか?いや、そこまでは聞くまい。

 その2mこそが接遇だ。そこまでするのか?そう思われるくらいのことだからこそ行動する意味がある。
 礼が整った動作と言葉を繰り返すことには意味がある。お客様のお出迎え1つにも様々な要素がある。会釈のしかた、表情、お客様に座っていただくイスを引く時や、水やお茶を差し出す時の動作も、心を込めようと本当に思っているからそれを行動に表したいと思う。

 そこまでやる必要があるの?だからこそやる意味がある。

 そんなの自己満足じゃん?それでいい。

 
 もしかしたらそういう人は嫉妬しているだけかも知れない。見返りがなきゃできないのなら接遇ではないのだから。良いと信じたことをするのに、誰かに嫉妬されるなんて気にしなくていい、嫌われる人には嫌われ自由になった方がいい。

 ちゃんと心があれば形じゃないよ。それでもいいが、それでは周囲から見えるのはただの建前だけだ。心があるからこそ、形にこだわる。心は形なり、形は心なり。


 『ありがとうございました、運転手さんのおかげで朝からとても良い気持ちになれました。』

 『ありがとうございます、いってらしゃいませ。』と富士交通株式会社の運転手さん。


 絶景の富士山に、心が温まる接遇で、早起きの寝不足感が清々しい朝に変わった。まだ開かない駅の入り口の前で自然と表情がリラックスしていくのを感じた。