
僕がいつも読んでいるサプリメントメーカーから「歴史的大転換」というタイトルのメルマガが届いた。
『?』と思い開いてみると、石油の解禁に関しての内容だった。確かにここ数カ月間、世の中を最も大きく動かしている変化だとは思う。ご存じの通りの暴落。
ヨーロッパも景気低迷中とか、中国などの新興国の景気が落ち着いてきたことなどもあるだろうけど、一番はアメリカの『シェールオイル』増産が本格化したことですよね。
原油純輸入国だったアメリカが、数年で産油国として世界のトップに躍り出てきたのだから、冒頭の『歴史的大転換』という言葉はオーバーとは思えない。この革命で化石燃料枯渇を前提としたOPECの価格設定は終わり。
供給が過剰であれば生産量を抑え、価格下落を調整する力がOPECにはあるはずなのに、今回はそれを放棄したのだから、談合組織としての機能はなくなり、当然市場からの信頼も崩壊。あとは転がり落ちる一方だ。
素人目にも、その下落ぶりは採掘コストを下回ってしまうんではないかと思わせるほどの勢いでしたよね。
先月から原油安の影響で、ガソリン価格が過去最長期間に渡り値下がり続けたニュースなんかも飛び交っている。物流だけでなく、原油は生活に直結する部分が大きいので様々なコストが削減されるだろうから、徐々に消費が刺激されることは実感できるはず。買い物にいく主婦なんかは、『あ!こんなに安くなった』とか。
これは良い影響。企業の業績向上にもつながり、給与もアップしてくれれば本当に景気の回復も実感できることでしょう。当然それによって株価もさらにアップする。
少し前にある大手証券会社の役員の方とお会いした時に、『本来、株価というものは景気を映す鏡のようなものなのに、アベノミクスは鏡の方ばかり良く見せようとしている。まだまだ本筋ではない。』というような話を聞いた。恩恵を受けている人は少ないということだ。
しかし、原油安で上記のようなことが起これば、鏡に映る実際の景気の回復も本格的に良くなったと実感できるようになってくるかも知れない。それも手伝い、アベノミクスはますます称賛されるかもですね。
と、ここまでは良い話ですが、そう楽観できない材料もある。産油国は原油輸出が財政の根幹ですから、原油安になれば一気に財政赤字となり通貨は売られる。実際に世界2位の産油国ロシアの通貨が昨年11月に急落。
今後も産油国でそのようなことが続けば、世界的につながっている金融市場へあっと言う間にマイナスの波紋が広がり、株価にも甚大なダメージを与えてくるかも。もしかしたらとんでもないことが再び起こるかも知れない怖さもある。
というようにプラスの面と、マイナスの面が同時に世の中へ揺さぶりをかけてくることになる。
この原油安が、本当の『歴史的大転換』であることを実感するのは、いつになるだろうか。いずれにせよ、原油国によるカルテル崩壊がこのような形で訪れるなどとは、数年くらい前では考えられなかったのではないだろうか。今後はどこまで原油安が続くか次第。
『変化は必ず起こる、それは不変。』これが一番書きたかったこと。
そして変化は、いきなりくる時もある。決して悲観するわけではない。そのことをしっかり意識し続けながらチャレンジしていければと思う。でなければただ死期を遅らせているだけ。そんな気持ち、危機感をあらためて強く意識した。
僕はTDK時代に、社会人2年目くらいでITバブル崩壊の悲劇を目の当たりにした経験がある。あの出来事は忘れらない。あれほどの世界的大企業の製造現場ではとんでもないことが起きていた。
ある日、国内の携帯電話関連会社の大手が、期首計画を数十億円下方修正する発表をした時、僕は同じ部署の課長に『うちも携帯がメインですけど大丈夫ですか?』と質問した。すると課長はこう言いました。『うちは国内じゃなくて世界が相手だから大丈夫。』
そんな会話してから半年も経たずに、その事態は突然きた。工場内では仕事がない従業員が止まっている設備の横で、床にずっと座っているだけ。調整休暇といって公休以外に週1~2回の休みを取らなくてはいけなくなり、もちろんその分は賃金カット。希望退職が募られ、大勢の人が会社を去った。
だから知っている、少しは分かっている。分かっているようで実はそうではないのが危機感だと。これは言葉で簡単に言えるほど生ぬるいものじゃない、自分のまわりから、数百人の社員が一気にいなくなるという現実は。
それでは、最後に僕が好きな言葉で締めます。これ知っている人いるかな。
『恐れるな、ただし侮るな。その両方がミスを生む。』byワニ蔵
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