【清掃は良心を磨く】 | Live with Max.

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世の中のあらゆることは、人間関係に行きつく。
そんな視点でいろんなことを考えながら書いています。

1日の休館日。この日の僕の予定は、夜の部のスタッフ研修もあり、朝10時~22時までの勤務予定。


今のトレーニングは1回2時間くらい行なっているので、22時過ぎてからやるのはなぁ・・・


と思い朝7時から開始で勤務前に終わらせたが、結局仕事が終わると日付はとっくに変わってしまっている時間だった。


長い1日を終えたことへの充実感を感じながらも、さすがに疲れたなぁと思いながら事務所の鍵をかけ、帰ろうとした時、使いっぱなしで床に置かれたままのラミネーターが目についた。


『なんでしまわないかなぁ』


そんなことを思いながらも、疲れていたので、急いで帰ろうとしていたせもあってか、

『明日の朝出勤した人が片付けるだろう』


そう考え、そのままにし、帰ろうとすると、今度は靴棚の前に脚立が放置されている・・・


『今日はもう疲れた、このくらい明日出勤した人が片付けるけるだろう』


僕はまたしても、同じように素通りした。


2階の休憩室で着替えをしていると、今度は床に落ちたお菓子の袋、それとテーブルには何か飲み物でもこぼしたのだろうか、ポタポタと跡が残っているのを発見。


しかし僕は三度それらをやり過ごし、セコムをセットして休憩室を出てしまった。


いつもなら、ゴミを拾い、テーブルも拭いてから帰るところだが、この日は『こんな時間になってしまった、もう今日は本当に疲れたし・・・』

疲れたことを言い訳にしている自分に気づいてはいた。今日ぐらいはいいだろう。とにかく頭がまわらなくなっていた。


そして最後の鍵をかけて、店舗を出て歩き始めた時、いつも館内を清掃してくれている取引先の従業員の方と数日前にした会話が突然ふと頭に浮かんだ。


『◯◯さん、いつも館内をキレイにしてくれて、本当にありがとうございます。◯◯さんは細かいところまですごい丁寧にやってくれるので、助かりますよ』


『そんなことなですよ別に』


『いや、掃除って、いくら仕事だからって、手を抜こうと思えば簡単に抜けるじゃないですか。だから掃除ってその人の人間性を表すって僕は思いますよ。◯◯さんがいてくれて良かったですよ、ねぇ支配人?』


そばにいた支配人にも話しながら僕がそう感謝すると、


『そんな、お金貰ってやっているんですから、それは当たり前ですよ』

と、謙遜する。


清掃が仕事で来ているんだからきっちり掃除をするのは当たり前だと考える人もいるかもしれないが、僕はその清掃員の方の働きっぷりを見ていると、そうは思えない。


たとえ仕事であろうと、お金を払ってやって貰っていることであろうと、これは感謝すべきことだ。


なぜなら、掃除というのはどこを掃除するかは決められているが、どこまでキレイにするかまでは、掃除をする人によって変わるから。

そして、毎回でなくてもたまになら、少しくらい手を抜いても誰にも気付かれないようなこともある。質を加減することは簡単だ。その人物の人間性がでる。


こんなことを言っている僕自身が、以前よりは少しはマシになってきてはいるものの、他の仕事と同じように細かくやろうとしていない人間だったので、つくづくそう感じるのだ。


『あの時、あんなことを◯◯さんや支配人の前で言っておいて、自分は一体何をしているんだ???』


僕はすぐに引き返し、鍵を空け、休憩室へと向かい、落ちてたゴミを捨て、テーブルをキレイに拭いた。


あの時の会話を思い出して良かった。やって当たり前のことをかろうじてやることが出来たことに一瞬心が軽くなる。


しかしすぐに頭を過ぎったのはフロント前のラミネーターと靴棚の脚立。


その2日前のこと。

営業時間中のラウンジに脚立が置きっぱなしになっていたことに上司が気づき、僕が慌てて片付けた。

そして、すぐに近くにいたスタッフへその脚立がいつから置かれていたのかを確認し、

『使ったら片付ける、自分でなくても気づいたら片付ける』

ということを言って聞かせていたことも思い出した・・・


そんなことをスタッフへ偉そうに言っている僕が一体何をしているんだろうか?


自分のだらしなさと恥ずかしさで疲労や時間のことも忘れ、迷わず片付けるために階段を降りていった。


気になったことをやり終え、店舗をあとにしたが、帰る途中、自分の言った言葉が身にしみていた。


『人間性が出る。やっぱり本当のことだな・・・』



自分のだらしないところは、こういう気持ちの緩みからきている。


僕が片づけをせずに帰宅していたとしても、次の日出勤したスタッフは何も思わず片付けていたことだろう。最後に帰った人間が全部片付けなきゃいけないなんてことは思うはずもない。だから引き返さずに帰ることも出来た。


もし、僕が清掃の方との会話を思い出さなかったら、僕はそのまま帰宅し、きっとその後も同じようなことがあっても同じ行動を繰り返していただろう。


僕のそんな姿を誰も目にすることはなくても、自分の良心だけは無自覚に荒んでくるのではないだろうか。

そうならないためにも、人が見ていようといまいと、自分がやるべきだと思ったことは必ずやる。そんな当たり前のことも僕は分かっていなかった。


いつも僕らにはマネ出来ないほどきっちりと館内をキレイにして下さる清掃員の方を思い出しながら、改めて、それが仕事だから当然なのではなく感謝すべきことであり、僕みたいな人間からすればスゴイことであることを感じた。

そしてその日の僕は、ギリギリのところで自分の良心を裏切らずに救われたような気がした。


おかげで今後は、もう2度と、あんな情けない思いはせずに踏みとどまることが出来るだろう。


『やっと今日も終わったなぁ』帰宅して一息つきながら、まずは家の掃除を今よりもっときちんとやろうかな・・・


僕みたいな人間こそ、もっと掃除を一所懸命やらきゃ。ついさっきの出来事を振り返りながらをそんなことを考えていた。




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