実は出張中にいきなりケータイを失
くすというストレスを発生させてし
まった。
今日は、その日のことを書いてみた
いと思います。
おそらく移動中の駅構内で落とし
たか、どこかに置き忘れたかだろ
う。心当たりもある。
一人での行動ならまだ良いのだが、
今回はタムさんも同行している。
タムさんに気をつかわせてしまう、
そんなストレスを感じずにはいら
れなかった。しかしいくら探して
もケータイはでてこない。
僕はとりあえず、この場はケータ
イは放置し、タムさんとの行動を
を優先することに決め、別な電話
を使ってリモートで画面のフルロ
ックを実行しておいた。
あとで駅の遺失物預かり所に連絡
して、それでなければ、もういい
だろう。
そう決めて、苦笑いをしながらタ
ムさんに、失くしてしまったこと
を打ち明けた。
『とりあえずいいよ、後で探すか
ら、行こ。』
と、先に進むことを促した。
失くした場所が、東京駅構内だ。
いや、地下鉄も使っている。探す
手間にタムさんを巻き込みたくは
なかった。どんだけ歩きまわる羽
目になることか。
もしあなたが出張中に、同行して
いる人がケータイを失くしたと焦
っていたら、なんて言いますか?
タムさんの第一声はこうだった。
『はははー、ウケる~』
そして『え?』と思うくらいの笑
顔だ。
『じゃぁ、行きますか』
そう言って、僕が進んできた道を
後戻りしていくのだ。
こんな所で失くしたケータイを探
し始めたら、どんだけ時間を無駄
にするか分からない。
しかし、そんなタムさんを見てる
と何故だが僕も「んじゃ、さっと
探してみるか」と考え直して、動
きだしてみた。
地下鉄に乗って東京駅まで戻り、
タムさんが僕の足取りをひとつず
確認し、歩き続ける。
どこに向かうのか、何をするのか
を思いつくままにタムさんが次々
と僕に言ってくる。
心当たりの場所を探しても見つか
らない。インフォメーションに行
って聞いても、近くを通った改札
を一つずつ回って駅員に聞いても
見つからない。
『じゃぁ、もう一回地下鉄の方に
行ってみましょ。』
と、すぐに次の指示がくる。
タムさんの様子は最初と変わらな
い。笑顔だ。どういう訳か楽しん
でいるようにさえ見える。
『いや~、しかしウケますね』
『内海さん、色んなもの持ち過ぎ
なんですよ~』
そう言いながら駅構内の地図の前
で立ち止まって見入ったり、自分
のケータイで僕のケータイに電話
をかけたり。
まるで宝探しでもしているようだ。
『ごめんよタムちゃん』といいな
がら、何だか僕まで、明るい気分
にさせられてきた。
地下鉄に戻り、地面を見たり歩き
ながらまた電話したり、改札の駅
員に聞いたり、遺失物預り所へ行
ったり。
それでもやはり見つからない。
交番に行こうと言うので、おまわ
りさんに確認もしたが見つからず、
届け出までだしておいた。
探し始めて、2時間以上歩き回っ
ただろうか。
もう探しに行くべき場所も、すべ
きことも思いつかない。僕は『や
れるだけのことはやったよね!』
そうタムさんに言って、食事をし
て一休みすることにした。
何だか良く分からないが、僕も
途中から楽しくなってきてしま
った。実におかしな話だ。
なぜなら『無駄な時間』と思って
いたことが、何だか充実している
とさえ思い始めてしまっていたか
らだ。
食事を終えて、歩いていると、
『そろそろ見つかっているかも知
れませんから、電話してみません
か?』
諦めていない。
そしてやっぱりニコニコしている。
僕はもう、精一杯探した満足感の
ような感覚から、また後で一人で
探そう、そう思っていたのだが。
駅の改札で貰った、遺失物問い合
わせ番号の紙を取り出し、言われ
るがままに電話をかけてみた。
これだけ探し回ってもなかったの
に・・・もうちょっと経ってから
かけた方が良いんじゃないかな。
内心そんなことを思いながら、
ケータイの特徴を伝え、担当者の
返事を待った。
『あ、そのケータイならあります
よ。○○の地下中央改札でお預かり
しています』
思わずタムさんに振り向き、
『あった!あった!』と声を出さ
ずに口の動きで伝えた。
まるで奇跡が起きたかのような気
分だった。
タムさんは目を見開き、笑顔で手
の平を数回叩き合わせた。
ケータイを受け取った僕は、やっ
とカラダの力が抜け、『ふ~』と
ため息をついた。
自分の責任ではあるが、ちょっと
疲れていた。だが、その感覚はつ
らいことや、大変なこと、面倒な
ことに追われた時のような、グタ
ッとくるような疲れではなかった。
険しい山を登りきり、山頂に達す
ると晴天が広がり、全てを見渡し
ているかのような気分だ。
久しぶりの感覚に、僕のカラダも
気持ちも、元気になってくる。
タムさんのエネルギーは素晴らし
いなぁ。とてもじゃないが、同じ
こと僕には真似できない。
『このことブログに書いてもいい?』
そう確認すると、
『どうぞ、どうぞ、たまにはおもし
ろおかしいことも書いて下さいよ』
と返してくれた。
笑顔のタムさんを見ながら僕は心の
中で思った。
『そうか、僕のドジっぷりが笑える
ってことだな。いや、しかし僕が考
えているのは、全く別なことだよ。
ごめんよ』
タムさんの様子と行動から僕があ
まりに多くのことを考えさせられ
たのは言うまでもないだろう。
もしよかったらあなたも想像してみ
て下さいね。色んな秘訣がこの話に
は詰まっていると僕は思うのです。
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