詩人 意味を成さず  ~掌握~ -5ページ目

詩人 意味を成さず  ~掌握~

私が詩だと思ったものを
ロックンロール

フラップ 2018 5 27

 

 

メールにしびれる

まだ開封していないのにあなたからだと思うと麻痺する

無上の時間を小分けに冷凍

細切れに解凍した仮説実験に震えたい

すぐには開かない

時間を引き延ばしたい

浸りたい

急ぎの用件

重要な頼み事

私に気がある素振りをみせたり

私を女として認めてくれたり

私が何かに値するstatueだと

何かに誘ってくれたり

何かを打ち明けてくれたり

私にしかできない何かに鱗のように言霊をしがみつかせて

 

女と扱ってくれるメールだと幻覚し

開けばいつもとかわらずにがっかりしてほっとする

スキのない相づちの返信

胸の中枢をつかさどる勝手な逢瀬を悟られる

すると私は今すぐにしもべになる

日記を盗み読まれる蝶になる

疑心暗鬼の天使になる

浮いたり沈んだりふらふらしながらあてもなく既読をまつ

挑発した内容でなければ乗ってくる返信はない

距離を超えても遠ざかって已む

近づいたら卒倒する気球になる

 

どんなメールでもいい

 

実は

 

気のない素振りを演じシュノーケルで呼吸する

窒息する魚に自分を重ね男と女に友情なんてないと手の甲に刻む

彼女の友達という立場を浮遊させ

友情

友情

下心を持たせたい

据え膳になるための策略と寝る

しもべとなりたい

腹黒い私は成就すれば堕ちる

お祈りだけなら何度でも

愛撫の時間の高揚に2度万年筆でサインする

多少時間に遅れてもチェックインはなんとかなる

 

目が合っていないとき必死で目を見る

合いそうなときははかみながら目を見る

タイトに体のラインを出す

私の胸の方がIQが高い

私は怖い

私は怖い

あなたも怖いはず

二人に一人が混じるから

試みる人形に変身する

毎日変身する

上がったり下がったり

人形は気流にとても弱い

 

空を飛ぶ夢をみる

100万年前の星の元

目的地へ乗客を乗せ無数の頭をもたれかけ推進を試みる

目印がなくて

目印がなくて

地面すれすれに成層圏に限りなく後進を試みる

 

私にもあなたにも紫外線は突き刺さる

ここは外

まるで宙

小さなことにこだわってなんとか居場所を見つけている

よく考えればいいというがよく考えないことの方が重要

そこに居場所なんてない

そこはただの通り道

私もただの通り道

よく考えないで

一時の気の迷いで

私を抱いて

 

 

 

 

 

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深海の果て   2019 9 23

 

そこら中に食べかけの果実が転がっている

世紀末の飽食に見合うだけの金貨を握りしめ手早く用意されたインスタントに顔を埋める

 

遺言はない

今を消費する現代に「もしかして」はない

手探りになんでも手に入るからそこに驚きと感謝はない

 

だからこそ君の果汁は誰にでも吸いつくされ手軽に捨てられる

僕は汚れた自分に見合うところまで落ちてきた君と二人で神を許す

 

ここは深海の果て

君と僕が待ち合わせた漆黒のバス停前

触れることのない聖域に印をつけられた二人だけの真空地帯

 

 

 

 

 

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パドル 2018 6 18

 

 

あの町まで行く

僕の大好きな君がいる

一所懸命に働く君は一所懸命に恋をする

 

君は美しい

見つめていたい

僕は恋をしてる

恋をしてる君に

 

君のいる町は朝まで明るい

眠らない人がいて君は焦がれていく

 

あの町まで行けば君の匂いがする

タバコ酒汗吐息

僕が眠らない番だ

 

進路見据え川を上る

手にしたパドルに力を入れ水の息吹確かめるように

君のもとへ朝焼けの中を進む

 

この川は海より広い

手にしたパドルに力を入れ引き波を後ろに従えて

君のもとへ朝焼けの中を進む

 

 

 

 

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なんでもあなたの意のままに   2018 5 15

 

燃えるんだ

腰まで届き散乱する黒髪が燃える

瞳も黒

暗闇の中で光る黒なんだ

気品と制圧する何かがある

 

けられてもいい

ののしられてもいい

何かを命令されたい

僕の存在を否定されるような

あなたの気高い精神に支配されたい

 

あなたは淫乱だ

あなたは強欲だ

僕の激しい女神

あなたの思うままに

 

なんでもあなたの意のままに

 

青い炎が

あなたの通った陰の中に青い炎が潜る

確実に

絶対の形ではっきり不安定だ

異常な説得力に何かがある

 

辺りをうかがって

尊厳を投げ捨てる

颯爽と剣を抜き出して

にやりと笑って振り返る

あなたの背徳の序列に従いたい

 

あなたは淫乱だ

あなたは強欲だ

僕の激しい女神

あなたの思うままに

 

なんでもあなたの意のままに

 

 

 

 

 

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なだらかな開眼 2018 6 12

 

 

微動を測り捉える感性を養育

上下する

破壊する前に

攻撃する前に

台無しにする前に

浪費する前に

嫌悪する前に

逸脱する前に

醜態をさらす前に

がっかりする前に

せめて死ぬ前に

 

写真を撮る

笑みが足りない

指摘したというかされたというか

上か下か中間か

どこなのか

写真は時期に撮ったことすら忘れられる

もう一枚もう一枚と更新される

生き延びることができればの話

 

気配で時間を感じ取る

精神ではなく思考の鍛錬

オルタネイト

不始末に備える読み

灰になるまで

動揺する内臓

まばたきをする器官

調子がいいのか上がっているのか

下がるのはわかる

上がるのがわからない

内側の微動を捉えなくては

 

注意して痩せる体

閉鎖した関係

注意して閉鎖して理解する内省

微動を測り捉える感性の発芽

観察

記帳

発表

理解

対処

まんべんなく水を撒く

広げすぎた対処

かしづく経験則

 

偽者硬い目に囲まれる

 

勘弁してくれ

自分のことで手一杯なんだ

 

 

 

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記念日が増える女 2018 6 11

 

 

よくない夢をみる

完全に忘れてしまっていること

どこにしまわれているのか

記憶の執念を目の当たりにする

去っていった君が俺に優しくしてくれる

紊乱な別れもともに夢に出ればいいものを

 

俺が生まれた瞬間君は存在していた

生活の輪が重ならないうちに各々恋愛もした

間違いなく結ばれると思った人を経たりして俺たちは宿命的に出会った

にも関わらずどうしてまだ他の宿命も探したのか

経験は不足を増幅するのか

 

記念日が増える女

こじつけのような記念日が続々と誕生した

君の手帳はボールペンで真っ赤になった

不安を打消すかの如く括りつけられる申合せ

納得のいかない可決に加えられない修正

緊縛に欲情するマゾヒズム

 

試され疑われる愛情と果てしない緊張

左頬を吊る不敵なサプライズ

これでもかと過去をほじくられ既定路線のはずの未来もほじくられる

俺が何人の女と何回愛を誓うのか

君は本気でそれを捏造したいのか

 

黙って去ってくれればいいものを君は今更解決できない全てをぶちまけた

俺は慎重に吐息すら再度のみ込んだ

誰もいない法廷に何を訴えるのか

君の本当の気持ちはもっと前に教えてくれ

崩壊した結論に付加される後腐れ

 

よくない夢をみる

なぜ俺は夢を覚えているのか

記憶は紐解かれ煌々と照らされる

噛み締めたはずの奥歯から順に抜けていく

化石になった俺を君は夢にみるのだろうか

俺は君のどこにしまわれているのだろうか

 

 

 

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ためらいの革新 2018 8 5

 

 

いつまでたっても決められない君の前に素朴を置いてみる

単純なことは複雑にはできない

もっと至ってシンプルだ

シンプル

選択肢なんかない

踏み出すか踏み出さないかだけ

 

人生は小さく回るか大きく回るか

周回の中で繰り広げられる過不足のリアクション

厚みをもった鋼鉄でさえ曲がる

君の信念はオフィシャル

取り消されないことへ怯えている

 

未来なんてとるに足らない

憧れの日々はここにある

犬をあきらめて

靴をあきらめて

香水をあきらめて

とりあえずあきらめる君の革新を

君が

君こそが望んでいる

君はあきらめている自分に意味を与え生きるんだ

 

 

 

 

 

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スレンダーガール 2018 5 15

 

 

スレンダーガール

ポップでキュートなヒップライン

歩き姿を誰もが振り返る

札幌に早い夜が訪れても君の闊歩は止められない

 

スレンダーガール

ファッションの動向は誰より先に感じ取る

キッチュな昔の姿を誰も想像できないね

 

洗練された君の魅力

あの頃の君も好きだけど

今の君も大好きさ

ついていくのがやっとだよ

 

スレンダーガール

知らないことはほっとけない

新しいお店に飛び込んで

ススキノの光を浴びている

オススメ料理を頼んでる

 

スレンダーガール

フォーマルカジュアルお手のもの

オールドだって身にまとう

僕は無意味な詩を書いている

君は家に帰れば素朴な子

 

洗練された君の魅力

誰にだって君は夢中で

誰もが君に夢中さ

そして僕だけのもの

 

スレンダーガール

 

 

 

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「シューズ」    2018 5 17

 

 

かわらないいつもの朝だったような

ぼくの家にむかえがこない

ゆうきがいつもぼくの家に来て

そのあとけんじときょうへいといっしょに学校に通っていた

ゆうきが学校を休むときはゆうきのおばさんが電話をくれた

今日はその電話もない

ゆうきを待っていたので少しおそく学校に向かった

いつもと違う子たちがぼくのつうがくろにいた

なんだか少しずついつもの朝ではないような

 

げたばこにくつをいれうわばきにはきかえる

いつもよりそとぐつが多くてうわばきがすくない

 

女の子とはなかよくしない

みんなにも言ってあった

だから女の子はぼくにはちかよらない

女の子とあそんでいるとなんだかバカにされそうで

みんなにも言ってあった

女の子とあそぶのはカッコワルイと

あそんでいたやつがバカにされるのはあたりまえだ

でもチョコレートはもらったことがある

これはみんなにはないしょにしている

 

シューズシューズぼくのシューズ

 

教室に入るまでだれにもあわなかった

座席につきよく見るとゆうきがいた

なんで家によびにこなかったのか聞いてみようとちかづいた

ゆうきはちかよっただけでむこうに行った

けんじもきょうへいもなんだか目を合わせてくれない

つよしもたーぼうもけいすけも目を合わせてくれない

おはようといった

みんなおはようと言った

ぼくの机のまわりに集まっていたやつらがこない

なんだろうと思っているときに朝の会がはじまった

 

ぼくの周りが変わってしまった

昨日まではぼくはどちらかというと活発で

みんなの中でも発言力があったような

なんだか急にみんなたいどが変わってしまったような

おはようが冷たい

 

中休みにみんなの中に入って野球の話をした

ぼくは地元の野球チームのエースだ

ぼくが野球の話をするとみんなも楽しく話をしてくれる

ぼくは野球が好きだ

みんなも野球が好きだ

だからいつものように野球の話をした

なんだか変だ

いつもならぼくの球の速さや

ぼくをキャプテンキャプテンって言ってくれるのに

 

シューズシューズぼくのシューズ

 

何かが変だ

野球の話をしてもろくな返事が返ってこない

ぼくのまわりだけにおいがちがう

遠くて

きもちも

なんかみんなとの間に線がある

 

2軍のやつに聞いてみる

2軍てのはなんだか本を読んだりスポーツのできないやつらだ

ぼくが話しかけるとなんだかびっくりした顔をしている

学校でなにかあったのかと聞くと

何もわからないよってていねいに答えてくれた

 

何もない

何かある

 

なんだかわらってみた

えがおで「ともだち」に

せいいっぱいのえがおで

 

おかしいぜったい

みんなと目があわない

 

話を聞いてくれるけど

話が続かない

今までぼくの話をぜったい聞いてくれていたのに

今までぼくの言うことにはぜったいみんなさんせいしてくれたのに

今日は話もちゃんときいてくれない

なまへんじばかりだ

 

わらってみた

だれもわらわなかった

苦わらいをした

何とかしなきゃと思いわらいつづけてみた

 

そして一番の親友のタクジに聞いてみた

 

シューズシューズぼくのシューズ

 

キミががきらいだ

いつも自分勝手で

弱いやつをいじめる

自分が一番だと思っていて

虫が好かないと前から思っていた

キミにさからうと

みんなに仲間はずれにされると思って

いつもみんなキミに気をつかっていた

キミはたしかにみんなを引きつける力を持っていたかもしれないけど

もうキミにはうんざりなんだ

もうキミにかかわりたくない

キミは自分の好きなようにやってくれよ

ボクらはボクらでやっていく

キミがさそってもだれもいかない

キミは一人であそべばいい

キミのおかげで泣いたやつはたくさんいる

キミはじぶんかってだ

気分屋だ

たえず誰かをバカにして

取りまきだけを連れていた

みんな一度はキミの取りまきになっていた

そしてみんな一度はキミの取りまきをはずされた

キミのわがままにふり回された

友達との関係をキミの好きなように引きさかれた

なんでボクはあいつをなぐらなければいけなかったんだ

キミが命令したんだ

 

シューズシューズキミのシューズ

 

もう何もいうことはないよ

せっかくだから教えてあげたんだ

多分他のだれも何も言わないと思う

キミとは話したくないって言ってる

 

キミと出あってうれしかったことがある

まだキミのせいかくが悪いって知らなかったころ

ボクが引っこしてきたばかりのころ

キミはボクに声をかけいっしょにゲームをしてくれた

初めての「ともだち」ができたって思った

こっちにきたボクのあたらしい生活がやっとはじまるんだなと思った

あのときのキミはやさしかった

そのあとすぐにキミは正体をあらわすのだけど

キミにはがっかりした

キミがこわかった

キミにはみんながっかりしている

みんなキミがこわいと思っている

キミに逆らうとひどい目にあうと思っていたんだ

 

ボクは少しの間だけどキミが「ともだち」だと思ったことがある

だから教えてあげたんだ

ボクたちがもう疲れ切っていることを

 

シューズシューズ誰のシューズ

 

いずれ早かれおそかれ先生に何かあったかと聞かれると思う

ボクらはそのときに何もないですって答えることにしてる

キミの父さんや母さんが心配するかもしれないけど

ボクらは心配しない

キミは親友じゃない

「ともだち」でもないし

もう話しかけることもない

話しかけないでね

キミと話しているのをみられたら

ボクも仲間外れにされる

それじゃ

 

キミは3軍だ

 

シューズシューズぼくのシューズ

 

わからないよ

「ともだち」ってのは何なんだ

みんな「ともだち」だろう

先生も言ってた

みんな「ともだち」ですよって

ぼくが楽しいときはみんな笑ってたじゃないか

みんなぼくのまわりで楽しんでいたじゃないか

みんなぼくを笑顔で囲んでくれたじゃないか

ぼくが一体何をしたんだよ

 

シューズシューズぼくのシューズ

シューズシューズぼくのシューズ

 

シューズシューズぼくのシューズ

シューズシューズぼくのシューズ

 

 

 

 

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しがみつく君を僕は蹴落とした 2018 6 17

 

 

無口な愛を君は受け入れない

「愛してる」を何度も塗りたくった原色のケーキと銀色のシャンパンと交互に口にした

次年度への予算は急激に曲線を描き支出は並行で交わらない

君に参謀がいなくて本当に感謝している

僕の語彙は凡庸そのもの

僕がうまくいえないとき必ず君は後ろを向き連れない演技をした

いつものように「愛してる」を求めた

新しい言葉は恥ずかしくて言えない

「愛してる」に頼るしかできない

「愛してる」がすり減っていく

「愛してる」の一言で君のことをつなぎとめることがいつまでできるのか

見通しのなさに怖くなる

愛がどんどん無力化されていく

プリミティブな愛を少ない言葉で組み立てねば

奴らは滑らかで流暢な配色を使う

街に溶け込みメロディアスに音階を織り成す

奴らの色は水油でかき混ぜられ何色にもなる

僕は8色入りのクレヨンしか持ってない

呆けていく原色を塗りたくるためのスポンジを焼く

 

プリミティブラブ

 

あなたしかいないから

私を捨てないでって

離れるなんて嫌よ

ずっとそばにいて

気に入らないことを改める

あなたのことが好きなのって

真正面から見つめて

私を抱きしめてって

 

君を愛してる

ずっと愛してる

これからも愛してる

明けても暮れても

 

僕の愛を君が谷底に取りに行くのなら自分で頑張れ

僕の愛は呆けてきたけど最短距離で君に届いているはず

僕の足にしがみついている君はとてもキュートだ

とてもキュート

 

「愛してる」だけでどこまでいけるか頑張ってみようか

 

 

 

 

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