みなさん、こんにちは。10月ももうすぐ終わりで秋もかなり深まってきましたね。
秋には美味しいものが沢山出回るので、つい食欲が旺盛になってしまいますが、食べ過ぎないようにお互いにセーブしながらおいしい秋を楽しんでいきましょうね。
さて、いくつか前の記事で、セニガッリアについて少し触れましたが、実は洪水前の今年の夏、セニガッリアの中心街に行く機会がありまして、
セニガッリア出身の教皇ピウス9世の生家のムゼオ(美術館/博物館)を見学したので、この機会にご紹介させていただきます。
ピウス9世はイタリア語ではピオ・ノーノ Pio IX
(ノーノは9番目とか9世などの意味)
本名はジョヴァンニ・マリア・マスタイ=フェッレッティ
Giovanni Maria Mastai-Ferrettiといいます。
博物館の場所はセニガッリアの中心街にあり、パラッツォ・マスタイ【Palazzo Mastai】という宮殿になります。
規模は大きくなく入り口は基本閉まっているので、入場する際は呼び鈴を押すと中から係の方が出てきて、入場させてくれます。
それから、まず係の人が最初に軽く美術館の説明をしてくれて、その後に自由に見学をさせてもらえます。
聖母子と聖アッポロニャと聖カテリーナ・ダレッサンドリア
作者不明 15~16世紀頃
メインの広間に入るとお迎えしてくれるのが、ビザンチン様式で描かれた絵画でした。ルネサンスとは違う少し固い仕草や表情がかえって神秘をまし、人々が求める救いや安らぎを与えてくれる存在となってくれるようでした。
私の周りではリアルと躍動感あふれるルネサンス美術より穏やかで気持ちが安らぐ感じが良いのでビザンチン美術の方に惹かれるという方も結構います。
上のビザンチン美術の絵画はこのように重点的に展示されていたので、このムゼオで一番古い絵画かなと思われます。
ちなみに広間の反対側がこちらです。↓
矢印の人物は画家のジョヴァンニ・アナスタジ
Giovanni Anastasi(1653-1704年)
こちらの広間に飾られているほとんどの作品が一人の画家によって作られたそうで、画像の矢印の先に立っている人物がその画家の自画像だそうです。こういった遊び心はイタリアの美術界ではよくあることですね。
画家はセニガッリア出身のジョヴァンニ・アナスタジで
広間内にある木材のカッサパンカ(収納と、長椅子としても使える日本でいう大きな茶箱と長椅子を足したような家具の一種)の装飾も、近年になって、ジョヴァンニ・アナスタジによるのではないかといわれているそうです。
ちなみに、この広間内のカッサパンカは用途はカッサパンカであっても、立派な装飾が施されているため、現在はもちろん、昔も実用的ではなく、基本は観賞用としておかれていたのではないかと推測します。
博物館には、生家が所有する絵画などの美術品以外に、
ピウス9世が使った衣装、祭事に使われた品々なども展示されています。
実は、建物の外観はいたって質素なので、中に入るまで全く分からなかったのですが、内装はフィレンツェにもよくあるいわゆる立派な貴族の館でした。
(きらきらした豪奢な宮殿とはまた異なるイタリア貴族の普通の立派なお屋敷という感じ)
確かに、昔の教皇は大概が貴族出身者がほとんどですし当然といえば当然でした。
生家の外装は2015年の過去記事から見ることができます。
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