南イタリアに伝わるクリスマスの伝統的な揚げ菓子2回目です。
二種類の菓子を作る際、二種類同時につくりましたが
前回ご紹介したスカルテッラーテ (Scartellate)についてはこちらからどうぞ。
パンツェロッティ・ディ・ナターレ(panzerotti di natale)
まずは中に詰める餡(あん)を用意します。
餡となる材料には、ひよこ豆の粉、カカオパウダー(砂糖なしのココア)、
エスプレッソコーヒー、砂糖などが入っています。
(*前回の記事にも書きましたが、口頭で素早く教えてもらったので
正確なレシピはありませんが、似たようなレシピをネットで見つけ、
リンクを張ったのでそちらも参考にしてください。)
パスタマシーンで伸ばした生地の上に一列、端に寄せてアンをのせます。
入れすぎると良くないので、少し小さいかな、と思えるくらいの大きさが
丁度良いそうです。
アンをのせたら、アンがのっていない方の生地を被せて2つ折りにします。
手で優しく抑えながら生地と生地や、生地と餡をくっつけ安定させます。
同時に後で切る位置も決めます。
道具で丁寧に周りをカットします。
(生地が大きすぎる場合は周りもカットします。)
大体こんな感じが理想的だそうです。(上)
カットした後にも、生地と餡が離れないように軽く押さえながら
よくくっつけます。
中に空気が沢山入ってしまった場合も、軽く空気抜きすると良いでしょう。
強く押す必要は全くありませんが、
こういったちょっとした手間と工夫によって
油で揚げる時に破裂して餡が出てしまうことによって、揚げ油が汚れてしまったり
飛び出てしまったアンが焦げることによって
油に焦げた匂いがついたりするのを防ぐことが出来、
最後の最後まで上手に揚げ物を終える事が出来ます。
こういった地道な作業が最後までパンツェロッティが上手に作れるか、
決まる秘訣の一つなんだそうです。
(*ちなみに余談ですが作ったことがないので断言はできないのですが
これら工程はパスタのラビオリを作るのと一緒だと思いました。
但し念のために書きますがラビオリの場合は揚げるのではなく、茹でます。)
さて、形を作り終わったら、前回のスカルッテラーテと同様に
オイルでカラッと揚げます。
ほんのりとしたきつね色が美しい
揚げ終わったスカルテッラーテとパンツェロッティがこちら。
もちろん、このまま食べても美味しいのですが、
この上に前回のスカルッテラーテと同様、下の画像のように
「蜂蜜と砕いたクルミを合わせたソース」を上からかけて出来上がりです。
(左)スカルテッラーテ、(右)パンツェロッティ・ディ・ナターレの完成
完成のソースをかけた途端、みんなの手が伸びてアッという今の勢いで
お菓子が消えていきそうだったので、私も慌てて写真を撮り
(そのせいで写真がぶれていますがお許しをm(_ _ )m)
南イタリアに伝わるクリスマス時期の伝統菓子を
アツアツで頂きました。
その日寝たのは深夜の3時だったそうです。
翌日私や他の友人などに沢山配ってくれましたが、
翌日の午後に疲労と流行り病の風邪のせいでか、一人は寝込んでしまう、
というハプニングがありました。
なんで、そこまでして大量に作るのか、全く理解できませんでしたが
彼女たちが小さかった頃、クリスマス時期になると
自分の御婆ちゃんがこうやって一日かけて沢山作ってくれたそうで、
その姿を今でも覚えてる、とのことでした。
彼女たちの出身の地方では各家庭で作ったものを親しい人や近所にも配るため、
そういう思い出もあるせいか彼女たち自身も、
次の世代にもこの伝統を伝えたい、というのがあったのかもしれません。
「なんでそんなに作るんだろう?」
「まるで儀式か何かのようにひたすら懸命に作ってるなあ」、と
そんな彼女たちが延々と作っている姿を見て、
私自身そう思ったのですが
こういう地方の伝統や風習をブログを通して
いろんな方に知ってもらうのも、とても興味深いのではないか?
と思い皆さんにも紹介させていただきました。
もし、興味深く読んでいただけたら、本望です。(∩・∀・)∩
宜しければ感想などもお聞かせください。m(_ _ )m
それではまた
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