今まで家に籠って思っていたこと② | 憧れの(?)Italia Firenze生活

憧れの(?)Italia Firenze生活

イタリアはフィレンツェに住みつき早十数年。
日本語を教えながら、イタリア人の夫と息子と暮らしています。
私の平凡なイタリア生活の実態を御紹介♪


ロックダウン最初のころは毎日のように

「公園、行こっか?」

「公園、行きたい!」

と言っていたピピウ。

 


庭も広いテラスもないフィレンツェ市内の狭いアパートに3歳児を閉じ込めておくのは簡単ではありません。

 

 

 

が、しかし。

 

 

 

子どもの適応能力というのはすばらしく、

ある時から

“外に出られない”

“公園へは行けない”

ということを理解したようで、

「テラス、行こっか?」

と言うようになりました。

 

 

 

時々は

「公園、行きたい。」

「ノンナ(おばあちゃん)のお家、行く!」

と言ってはいましたが、

そんなに私やダンナを

困らせることはありませんでした。

 

家でお絵かき、粘土遊び、パズル、絵本、動画、追いかけっこ、かくれんぼ…

そうやって過ごす毎日がピピウにとっても“普通”になっていきました。

 

 

 

 

 

いつだったかはっきりは覚えていないのですが、ロックダウンからしばらく経ち、私たち家族がロックダウンの生活に慣れてきたころ、あるニュースを見ました。

 


フィレンツェの隣町で起こったこと。

 


ある母親が市長に公園を子供たちに開放するよう訴えたそうです。

 

理由は、

狭い家の中に子供たちが閉じ込められたままでかわいそうだ。

子どもたちは退屈している。

 

…という内容のものだったと覚えています。

 

 

当時は確か、子どもの散歩さえも許されていない時期でした。

 

 

その母親に対しての市長の答えは、

子どもたちがCOVID-19に感染するくらいなら、家で退屈しているほうがよっぽどマシだ。

公園は開放しない。

 


言葉は違ったかもしれませんが、内容としてはそういったものだったと記憶しています。

 

 

 

このニュースを聞いて、「あぁ…」と思ったのです。

 

 

 

ロックダウン中、自分の家で過ごせることがどれだけ幸せなことか、分かっている人は少ないのかもしれない。

 

 

 

私は、ロックダウン中、家族そろって家にいられる私たちは幸だと思っていました。

今でも思います。

ダンナもそうです。

 

 


いつ感染するか分からない環境に怯えながら、毎日出勤しなければならなかった軍警察の友達やその家族、医療関係者の話を聞いていたからというのも大きな理由の一つです。

 

彼らの負担をかけないためにも、私たちが感染するわけにはいかず、絶対に外に出ないでおこうと思いました。

 

 

 




そして、ウイルスとは関係ないのですが、ピピウが生まれてからNICUに通っていた7か月間。

今思えば当時の生活はロックダウンの生活に似たものがありました。

 

違うのは、毎日いる場所が、機械音の響くNICUの中だったということと、息子の命がかかっていたということ。

 

保育器の前に朝から晩まで座り、人工呼吸器のつけられた1000gほどの息子をただただ見守る…

3か月ほどは本当にそんな生活でした。

 



ピピウが生まれたのも3月。

 

NICUは未熟児たちに負担をかけないために、窓からの光はだいぶ遮断されており、薄暗くなっています。

 

昼食のためNICUを出ると、窓から見える外は陽光のまぶしい春。

 

でも、私は病院の外に出られませんでした。

 

たったガラス一枚の向こうの世界が別世界のように感じました。

 

当時は強制されていたわけではありませんが、それでも、病院の中に閉じ込められたような感覚でした。

 

 

 



そのときに比べれば、今回のロックダウンは外には出られなくてもピピウが元気なのです。

一緒に遊べるのです。


家の中にさえいれば、感染の恐怖もありません。

ピピウの命の危険を感じるストレスがありません。

 



おかげで今回のロックダウン、

閉じ込められていても、

「私たちはラッキーだ。」

と思うことができました。


NICUにいたときの方がストレスでした。

 

 

 




 

小さな子ども一人を家に閉じ込めておくのは簡単なことではありません。

兄弟がいるならさらに大変でしょう。

 

それは私も分かります。

 

やっぱり、イライラもしました。

 

 

 

 

でも…

 

 

 

 

 

 

 

私は、自分の息子が“病院”という場所からいつ外に出られるのか、外を走り回れる日が本当にくるのか分からない時期を過ごしたことがあります。

 

そして、“病院”という場所から最期の最期まで外に出られなかった子供たちを知っています。

 

ロックダウンの最中も、病棟に閉じ籠り、辛い治療を受けながら、文句も言わずいつもと変わらない日々を過ごしているだろう病気の子供たちとその両親たちの生活も想像できます。









ロックダウンはいつか終わるのです。

 

 

いつか子供たちが外に出られる日は来るのです。

 

 

健康であれば。



 

 

 ロックダウン中、自分にそう言い聞かせていました。




 

 

 

痛みや、ストレスや、苦痛は人それぞれで、他人から見れば些細なことでも、当の本人にすれば大問題なこともあるので、市長に公園開放を訴えた母親を責めるつもりもありません。

 

 

 

たぶん、私たちの幸せ察知センサーがピピウが生まれて以来いろいろあったので、人よりかなり敏感になっているのだとも思います。

幸せを感じる基準はかなり低いです。


それもある意味幸せなこと?


 

 

 


でも、そのニュースを聞いて、その母親に言えるものなら言いたかったこと。

 

あなたの子供は健康ですか?

そうなら、いつかきっと外に出られます。

外に出られなくて悲しそうにしている我が子を見るより、人工呼吸器をつけている我が子を見るほうが、ずっとずっと辛いです。

 

 

 

 

 


 

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