長い長い歴史を持つ国であるが、今の"イタリア共和国"という国に統一されてからそう歴史は古くない。
150年ほどの歴史しかない。
それまで都市国家としてそれぞれの都市が独立し、文化、言葉もそれぞれの都市で発展してきた。
なので、イタリア料理と言っても、町や州によってはかなり違うし、
言葉も"方言"と今では呼ばれるが、かなり異なる州もある。
日本も今の日本、日本語に統一されたのは明治以降で、それまでは藩ごとに習慣や言葉が異なっていたのだから似たようなものか…。
と…
ちょっと真面目なことを書いてみたが、ここからが本題。
最近、立て続けにシチリア出身の人と会う機会がありました。
シチリア島。
南イタリアに位置し、ヨーロッパとアフリカの境界に近い島です。
その歴史は大変興味深く、同じイタリアとは言っても、ルネサンスが花開いたフィレンツェとは全く色の異なる島です。
一度行ったことがありますが、フィレンツェとはまた違った美しさがあります。
習慣も、人々の生活スタイルも、同じイタリア人でも随分異なるのも事実です。
そのことは知ってたんですけどね。
最近、会ったシチリア出身の人たち…
近所の人、
エアフランスのCA さんたち、
公園で出会ったおばあさん、
みんな「私はシチリア人です。」って言うんです。
特にCA さんたち、 イタリア語話してたから
「イタリア人ですか?」
って聞いたら、
「イタリア人?いや、シチリア人。」
と。
いや、だから、イタリア人やん
公園で会ったおばあさんは、私に「どこの国出身?」と聞いて来ました。
私はもちろん「日本人です。」と答えました。
それまで話していて、イタリア人だろうけど、アクセントがフィレンツェのアクセントではないなと思ったので
「どちらのご出身ですか?」
と私も聞いたんです。
すると、「私はシチリア人よ。」と。
ま、そこまでの会話は普通なんですけど…
そのおばあさんとピピウの病気の話になって、未熟児網膜症の話をしていたんです。
すると、おばあさん、"眼球"という言葉を私に伝えたかったようなんですが…
おばあさんの言った単語が私は理解できませんでした。
私が「?」という顔をしていると、
「ほら、目そのものよ。小さい球体の部分よ。」
と。
なので、"眼球"のことだと分かったのですが、眼球はいわゆる標準イタリア語では"bulbo oculare" 。
だいたい"bulbo" と言われることが多いと思います。
でも、おばあさんは違う単語を言ってたんですよね。
するとおばあさん自身も
「あれ?これってイタリア語?
あ、違うかも!
シチリア語かも!
もう、イタリア語が分かんないわ!笑」
と。
二人で一緒にケラケラ笑いました。笑
イタリア人は未だに"イタリア人"ではなく、"生まれ育った都市の人"と感じる人が多いようです。
私からしたら、みんなイタリア人ですけどね。
でも、そうイタリア人に言うと「違う!」と否定されたこと多々あり。
シチリア、本当に綺麗だったので、いつかまた行きたいです。
注:あくまでも私が出会ったシチリア出身者の話で、シチリアの方全員がそうとは限りません。
ただ、シチリアに限らず、イタリア人は郷土愛が強く、それぞれの町の歴史や文化、言葉に誇りを持っている人が多いのは確かです。
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