グロムにオートチョークキャンセラーを製作しました。

 

オートチョークキャンセラーという名前が正しいかわかりませんが、エンジンが冷えている時に自動でガソリンの噴射量を増やしてエンジン回転数を上げる機能を動作させなくするようにしました。

 

なぜそんな対策が必要かというと、僕のグロムは吸排気系を変更しているので、ガソリンの噴射時間をサブコンで調整しています。最初は純正のインジェクターを使用していたのですが、ガソリンの噴射時間を設定出来るめいいっぱいにしても薄い(ガソリンが足りない)感じがしたので、現在は大型のインジェクターに交換してガソリンの噴射時間を絞るように設定しています。

このセッティングは走っている時は全く問題が無いのですが、エンジンが冷えている時に自動でガソリンの噴射時間が長くなってしまうと、インジェクター自体が大きいので、純正に比べてかなり多くのガソリンがエンジンに送られてしまうようになってしまいます。そのため、濃すぎてエンジンが止まってしまう症状が出るのです。

 

去年まではエンジンが温まるまで暖気をしていたのですが、暖気を待たないでアクセルをひねるとプラグがかぶってしまい、プラグの分解清掃をしないと再始動できない状態でした。ここ数年気温がさがっているのか、その症状が顕著になってきたので、以前からこのオートチョークキャンセラーは実現したいなと考えていました。

 

グロムはエンジンの温度が20℃になるとオートチョークが終わるので、20℃以下ではないと誤認させることでオートチョークを動作しなく出来ないかと考えました。

エンジンヘッドの左側についている温度センサーに細工をします。

センサーの多くは電気の抵抗値を内部で変化させて出力する事で温度等の変化を電気信号に変えています。なので、抵抗値を調整してやれば0℃の時に出も20℃と誤認させることができます。

抵抗値を変える為には別に抵抗を追加してあげればできるはずです。最初は可変抵抗(ポテンショメーター)を直列に追加して、温度計の値を見ながら変化させる方法を考え付きましたが、いちいち操作するのは面倒です。次に、適当な抵抗を直列に追加して、オートチョークが終わったら取り外す事を考えましたが、毎朝コネクターを引き抜くのも現実的ではありません。直列に追加すると、全体が常に高い抵抗値になってしまう事がネックでした。そこで、思いついたのが抵抗を並列に接続する方法です。抵抗値は並列に接続すると、お互いの抵抗値の計算値になるので、計算してみると、いい感じになりそうでした。

 

ちなみに、2つの抵抗(R1とR2)の抵抗値の合計(R)は以下の通り

 

直列接続 R=R1+R2

並列接続 R=(R1×R2)÷(R1+R2)

 

製作にあたり、グロムの温度センサの抵抗値を測ります。

エンジンをかけて狙いの温度になってはエンジンを切って、センサのハーネスを外して、計測してを繰り返します。

そして、得られた値が下記の通りです。

 

4.8 23.2 45 60 80  
4.80 2.30 1.00 0.50 0.30  


この値を元に、並列に抵抗を接続した時の値を計算します。

    4.8 23.2 45 60 80  
    4.80 2.30 1.00 0.50 0.30    
10 3.24 1.87 0.91 0.48 0.29    
4.7 2.37 1.54 0.82 0.45 0.28    
1 0.83 0.70 0.50 0.33 0.23    
               kΩ    
 
10kΩだと4.8℃の時に3.24Ωなので、純正の時と比較すると4.8℃と23.2℃の中間くらいの温度の14℃くらいになるので、20℃のオートチョーク完了まで濃い時間が発生してしまいます。
1kΩだと、4.8℃の時に0.83Ωなので、純正の時と比較すると45℃と60℃の中間くらいの温度の52.5℃くらいになるので、正しい温度から離れすぎてしまいます。
4.7kΩだと、4.8℃の時に2.37Ωなので、純正の時と比較するとほぼ23℃になるので、オートチョークが切れてちょうどいい設定と判断しました。
また、並列接続の良い所は、温度が高くなればなるほど、純正の抵抗値が下がり、並列に接続した抵抗の影響が少なくなって、誤差が少なくなる事です。80℃辺りでは、ほとんど差が無い事がわかります。
 
使用する抵抗の値が解ったので、早速ネットで抵抗を買います。最近は街中で売っているお店が無いので、ネットでセット品を買います。カーボン抵抗は1本数円なので、100本くらい入っていても安いです。
 
実際にキャンセラーを製作します。

 

ケーブルの間に抵抗をはんだ付けします。抵抗の足をケーブルに突っ込んで、はんだが剥がれても落ちないように細工をしました。

 

それをコンパクトにたたんで、熱収縮チューブで漏電しないように保護します。

 

それを、上からさらに熱収縮チューブで覆ってコネクタを付けたら完成。

このコネクタですが、家にあった防水タイプの物を使用したのですが、手持ちのカシメ機のサイズが合わず、製作はかなり苦労しました。

 

純正のハーネス(僕の場合は社外の分岐ハーネス)を切断して、同じくコネクタを取り付けて割り込ませます。

コネクタ可する事で、トラブルがあっても純正状態に戻せる安心感がありますね。

 

むき出しだと怖いので、保護チューブで全体を覆って完成。

 

 

エンジンを始動してみると、外気温が3℃程度だったのですが、20℃で表示され、オートチョークもしていなかったので、狙いはバッチリ当たりました。

試走してみても、エンジンが温まって恐ろしく高い温度を表示する事もありませんでした。

 

これで、冬の通勤も快適です。