ハルニレの森 | ホタルの恋のうた

ハルニレの森

町を見下ろすハルニレの木に
小鳥たちのマンションがある。

幸せの小枝を1本ずつあつめて
暖かい巣をかけたのは春の日。

ぬくぬくと暮らして
涙を忘れた鳥はしあわせ。
子供たちが旅立ち、
ある日冷たい雨に打たれて
こごえた夜を思い出す。

めそめそするな、小鳥さん。
だって小鳥に涙はない。
命尽きるまで、生き抜いて
巣が落ちたなら土になれ。

小さな体を、虫が喰い、
骨には苔がむしてゆき、
可愛いお花が咲いたなら、
再び空を舞うだろう。

先に行くもの、
生まれでるもの、
みんな1人で飛んでいる。
だから鳴くなよ、小鳥さん。
この枯れ果てた世界を飛べば
なつかしい春が待っているのよ。